「Linkusを見ない日はない」長年海外人材を受け入れてきた実績がある 登録支援機関の株式会社ロイテ

インタビュー

農業大国・農業先進国と呼ばれている日本ですが、同時に働き手の高齢化や人材不足が深刻化しています。日本の農業人口は280万人を超えていたものの(2009年のデータ)、そのうちの6割以上が65歳以上で、働き盛りである35歳未満の割合はたった5%前後という状態。

現在も心配されている人手不足を懸念して、海外人材に注目していらっしゃる企業も多くいらっしゃいます。同時に、海外人材雇用に関して不安や疑問を感じている企業やご担当者さんも少なくないでしょう。

そこで、株式会社ロイテの佐藤さんにお話を伺いました。株式会社ロイテは食品加工や肉牛の牧場を行なっている企業であり、特定技能外国人を支援する登録支援機関でもあります。また、過去何年にも渡って技能実習生を受け入れてきた実績もあります。この記事では、登録支援機関として登録した経緯や現状の課題以外に、Linkusを利用し始めたきっかけ、利用してみてよかった点についても教えていただきました。ぜひ参考にしてみてください。

登録支援機関の登録をしたのは自然な流れ。不安はなかった。

ーー 御社の事業内容について教えてください。

私たち株式会社ロイテは現在、登録支援機関として特定技能1号外国人の支援を行なっています。海外人材が日本に在留している間、仕事も私生活も円滑に行うことができるよう、受け入れ企業さんから委託を受けてサポートしています。職業上、日常生活上、社会生活上の支援です。現在支援している特定技能外国人は7名で、これから支援する予定の方は17名です。

ーー 登録支援機関として登録をした経緯を教えていただけますか?

弊社はもともと食品加工や肉牛の牧場を行なっているグループ会社で、技能実習生だけでなく、技術・人文知識・国際業務の在留資格を持っている海外人材を受け入れてきました。2019年4月に特定技能制度が施行されてから、特定技能外国人を受け入れることが決まりました。受け入れるにあたって十分な支援ができるよう、弊社グループ内で登録支援機関となるための会社を立ち上げたんです。こういった経緯で登録支援機関として登録をいたしました。

ーー 登録支援機関として申請するにあたって不安はありませんでしたか?

不安は特にありませんでした。もともと社内には技能実習生や技術・人文・国際業務の在留資格を持つ海外人材がいて、外国籍の方を受け入れたり支援することは自然なことでしたから。新しく特定技能制度が施行されたので「じゃあ登録してみます」という自然な流れでしたね。

登録した当初は、支援する海外人材がグループ会社内の方だったことも不安がなかった理由のひとつです。技能実習を修了して特定技能に切り替える人材の支援をするために登録支援機関として登録したんです。お付き合いのある牧場も特定技能外国人を受け入れる予定だったので、その支援も予定していました。「初対面の海外人材をいきなり支援する」というのは、人間関係を一から築くという点で大変かもしれませんが、私たちの場合はスタートが社内でしたので不安はありませんでした。

2020年の2月に登録支援機関として申請後、同年7月に許可がおりてから、しばらくは社内とお付き合いのある会社に所属する7名の特定技能外国人を支援していました。その後、徐々に外部の特定技能外国人の支援も行う方針となり、現在は5社ほどの受け入れ企業とやりとりをしています。

ーー グループ会社内の海外人材だけでなく、他社の人材の支援も始められたということですが、登録支援機関としての課題や問題点などはありますでしょうか?

特定技能外国人として来日している海外人材で、面接では「長く働きたい」と言ってくれる方でも、実際は長く続けてもらえない場合もある、というのが課題であり問題点です。せっかくご縁があって働いていただいているので、ひとつの職場でできるだけ長く働いてもらいたいな、というのが本音です。

グループ会社内には技能実習を3年修了してから特定技能に切り替えて1年経つ、計4年のお付き合いになる人材もいます。一方、新規の特定技能としてお付き合いを始めても2年目の更新をしなかったり、転職をされたりする方も少数いらっしゃいます。「お給料が少しでも高いところに行きたい」という働く側の考えは自然なことかもしれませんが、「体力的につらくてもお給料が高ければやっていけるのかどうか」などは転職してみないとわからないですよね。転職をする際は“労働条件とお給料のバランス”を本人のために見極めて欲しいなと思っています。

ーー 転職してから「やっぱり違った」と後悔してまた転職..では、その仕事の楽しさを感じる前にやめてしまうことになりそうですね。海外人材の転職理由でお給料の額面以外はありましたか?

退職や転職の理由として住宅(社宅)の問題を抱えている方もいらっしゃいました。「会社(受け入れ企業)が用意した住宅が汚い」といった内容です。こういった事例があってからは、海外人材が住む前に住宅がどういう状況なのかを確認しに行くようになりました。事実、外靴でないと入れないほど汚れている住宅もあったことは確かです。その時は「お言葉ですが、これは住めないです」と牧場側にはっきり伝え、その後何度も話して改善してもらっている最中です。過酷な畜産系の経営では人より牛を大切にする傾向もあるため、人が住む住宅に目が行き届いていないケース、住宅にお金をかけられないケースもあります。とはいえ人間にとって衣食住は生きるうえで大切な要素なので、その一つである“住宅”はきちんと整えていきたいですね。

今は私が事前に確認して「大丈夫だな」と判断した住居に入ってもらうようにしています。それでも、受け入れ企業がきちんと用意してくれた社宅が気に入らずに申し出てくる方もいれば、少々古くても自分できれいにして住んでいる方もいます。「あれをしてくれない」「これをしてくれない」と人任せな姿勢の方は、仕事を早く辞めていく傾向がありますね。自分で自分の生活を整えられる方は仕事に臨む姿勢もしっかりしています。そのあたりは日本人と変わらないですね。

「見ない日はない」というくらい毎日Linkusを利用している。

ーー Linkusを知ったきっかけを教えていただけますか?

特定技能に関するサービスやシステムがあることを知りませんでしたから、ご担当者さんからのお電話でLinkusの存在を知りました。営業のお電話は早めに切り上げることが多いのですが、めずらしく話を聞いてみようと思ったんです。ただ、サービス内容を聞いた段階では「料金が高いんだろうな」と思っていました。「費用は海外人材1人あたり500円」と聞くまでは完全に断る気でいたんです(笑)。

ーー お電話でお話を聞いてくださり、ありがとうございます。Linkusを利用し始めた理由は価格が安かったからでしょうか?

海外人材数名分なら申請書類作成も管理も何とかなりますが、人数が増えたら手が回らないなと予想していました。なので、「一人当たり500円なら使ってみてもいいし、使わなったら解約すればいい」という気持ちで利用を始めました。とりあえずお試しで使ってみたかったんです。最初は四半期に1回の定期報告書類の作成から利用し始めました。

使い始めた時は分からないことが多かったため、「説明書を印刷して送ってほしい」と担当者の方に相談したらすぐに郵送してくれました。その後も今に至るまで、分からないことがあれば、すぐに担当者の方に電話しています

ーー 一人分でも大変な申請書類作成が何十人にもなると考えると、あの膨大な量を作りきれるのか不安になりますよね。Linkusを実際に利用してよかった点は何でしょうか?

現在は「Linkusを見ない日はない」というくらい、家でも出張先でも毎日利用しています。申請書類関係はかなり作りやすくなりました。特定技能の申請書類を自分で一から作成すると海外人材1人当たり3〜4日ほどかかりますが、Linkusを利用し始めてからは1日あれば完成させられるようになりました。

実は私、馴染みのない外国人名がなかなか覚えられないのですが、Linkusを見れば誰が誰だかすぐに分かります。「今、申請準備中の人が◯人いる」「この人はこの会社へ行く」というステータスも見やすくて助かります。支援する人数が増えると「誰が求職中で、誰が行き先が決まっているか」などのステータス管理が難しくなりますが、Linkusは私や私以外が見てもステータスが一目で分かるのでありがたいです。

最後まで責任を持って支援をしてほしい。

ーー これから海外人材を支援していくこと、受け入れていくことを検討している方に、メッセージをお願いします。

私たちがこれから支援をする予定の海外人材で愛知からいらっしゃる方の話なのですが、もともといた企業に転出届も航空券も手配してもらえず、飛行機や空港についても分からない状態だったんです。弊社の通訳を通して色々と教えてあげましたが、こういった現実があることは悲しいですね。

会社を出て行くことが決まった海外人材に対しての支援が甘くなる団体や企業が存在することが、非常に残念だと感じています。役所でもらう転出届や課税納税書などの必要書類を手配しなかったり、母国への航空券の手配や空港への送迎をしなかったり。入管法では「海外人材が入国してから帰国するまでは支援の義務がある」となっているにも関わらず、「働いてくれないならサポートはしない」というのは人として悲しいなと思います。「働いてくれてありがとう」という感謝の気持ちがあれば、サポートできるのではないでしょうか。最後まで責任を持って支援をしてほしいですね。

タイトルとURLをコピーしました