自社支援によって優秀な人材獲得と質の高い人材育成につなげる 老舗旅館グループ「株式会社一の湯」

インタビュー

宿泊業界では日本の労働人口の減少に加え、インバウンドの復活によってますます海外人材の需要が高まっています。株式会社一の湯様は、外国人材の受け入れに積極的に取り組み、彼らが長く安心して働ける環境づくりに力を入れています。「BEENOS HR Link」のサービス導入により、煩雑な手続きを効率化しながら、外国人材一人ひとりと向き合い、丁寧なサポートを実践されています。 今回は、「株式会社一の湯」様の市川様、今泉様、大村様に外国人材の受け入れの経緯や取り組まれている支援内容などについてお話を伺いました。

ーー まず御社の会社概要について教えてください。
弊社は、江戸時代の寛永7年、1630年に箱根塔ノ沢で創業し、創業395 周年を迎えました。 現在、箱根エリアを中心に複数の温泉旅館・ホテルを運営しており、お客様に価格以上の価値をご提供するために様々な取り組みを行っています。
お客様のニーズに沿った形で様々な仕組や企画を柔軟に展開しています。例えば、箱根は温泉が有名ですが、一の湯に宿泊、日帰り入浴をされたお客様はグループ施設の湯めぐりが無料でお楽しみいただけるサービスなども提供しています。現在は9施設を展開していますが2045年までに200施設の展開を目指しています。


ーー 最初に特定技能外国人を受け入れ始めた経緯について教えてください。
日本の労働人口の減少に伴い、人材確保が困難になる中、海外から日本で働きたいという方を受け入れることが必要と考えたのがきっかけです。 幸いにも、弊社の代表が旅館・ホテルの組合で人材確保や外国人材の受け入れに関する委員長を務めていることもあり、情報が早く入ってきたため、業界の中でも比較的早くから特定技能外国人の受け入れを始めました。


ーー 「旅館」という営業形態上、コミュニケーション等の不安から外国人材の雇用に足踏みをしている企業様も多いかと思いますが、そういった中で先駆けて外国人材の雇用に取り組まれた理由について教えてください。
旅館業は、ホテルと異なり、お客様と接する時間が長く、よりきめ細やかなサービスが求められるため、外国人材の受け入れに不安を感じ、踏み切れない企業も少なくありません。 しかし、弊社は、意思決定から実行までのスピードが速いこと、そして、新しいことに柔軟に対応できる体制が整っていることから、先進的に取り組むことができました。

自社支援によって優秀な人材の獲得と質の高い人材育成へ

ーー 特定技能外国人の受け入れ当初は外部の登録支援機関に支援業務を委託され、現在は支援業務の内製化をされているそうですが、その理由と経緯について教えてください。
支援委託費が人数に応じて増加するため、費用を適正化したいと考えたことが理由の一つです。 単純なコスト削減ということだけではなく、支援費を気にして優秀な人材を採用することをためらうのは本末転倒だと感じていました。また、委託先が複数に分かれており、管理が煩雑になってきたことも課題となっており、自社で直接支援を行うことで、より質の高い人材育成につなげたいと考えたことも内製化に踏み切った理由です。

ーー 「Linkus」の導入前に感じていた課題や問題点について教えてください。
内製化と同時に利用を開始したのですが、利用前はルールに沿った対応を漏れなくできるのか、書類作成などの事務作業をきちんとこなせるのかといった不安がありました。 そのため、システム導入は必須と考えていました。
そのためインターネットで検索していた時に、「Linkus」のホームページを見つけました。 すぐに丁寧な説明を受けることができ、不安が解消されたため、「Linkus」導入を決定しました。 サポート体制がしっかりしているという安心感を得られたのが大きかったです。
現在は、当初不安を感じていた対応の漏れ等もなく、適切に自社支援を運用できています。

ーー 一の湯様はBEENOS HR Linkが提供する「内製化サポート(特定技能アドバイザー by Linkus)」を活用いただきましたが、活用を決めた理由について教えてください。
やはり、自社で何から始めればいいのか、具体的な手順やノウハウが分からなかったため、専門家のサポートが必要だと考えました。 ルールに違反するようなことがあってはならないので、最初から適切に進めたいという思いもありました。
内製化サポートを利用したことにより、何をすべきかを明確に示してもらえたことが、一番の収穫です。 最新の情報を整理して提供してもらえたことも大変助かりました。
「内製化サポート」の利用によって不明点を解消しながら、安心して内製化をスタートさせることができました。 現在は、更新申請や在留資格変更など、新しいパターンの手続きも経験していますが、大きな問題なく進められています。

ーー Linkusについて、導入してよかった点について教えてください
書類作成がほぼ自動化できる点が素晴らしいです。 データベースとの連携もスムーズで、非常に使いやすいシステムだと感じています。
最近では内定者の変更申請書類を作成したのですが、50ページ程の書類があり、手作業で作るのは無理だと感じています。また、特に説明書を読まなくても簡単に使えるのはありがたいですね。事前ガイダンスもチェックを入れるだけですべきことが網羅される点がよかったです。
もしWordやExcelだけで作業していたら、と考えると、Linkusを利用することで大幅な工数削減になっていると感じています。

特定技能外国人の積極的な正社員登用を推進

ーー 雇用をしている特定技能外国人の皆様についてお伺いしたいのですが、特定技能外国人の方に対して描いているキャリアプランなどがあれば教えてください。
弊社では正社員採用と契約社員採用にて外国人材を雇用しているのですが、正社員登用を積極的に進めています。将来的には責任者クラスとして活躍してくれることを期待しており、日本人の従業員と待遇に差をつけずに指導することを心がけています。
また、特定技能2号へのステップアップや、業務によっては技術・人文知識・国際業務ビザへの切り替えも視野に入れています。幅広く、長く活躍していってほしいと考えています。


ーー 定着サポートについて教育面や生活面など、どのような支援を行っていますか。
社内で日本語の勉強会を開催したり、 生活面では、3ヶ月に1回以上の定期面談に加え、上司以外の社員との1on1ミーティングの機会を設け、コミュニケーションを密に取るようにしています。 また、メンター制度も導入し、小さな困り事も気軽に相談できる体制を整えています。今後は特定技能2号の試験対策研修の実施もできればと考えています。
支援の内製化によって、 定期面談などを通して、直接話を聞くことで、より細かな悩みにも対応できるようになりました。 手続きを全て把握できるので、より近い立場で彼らをサポートできていると感じています。


ーー 1on1ミーティングで心がけていることはありますか?
話しやすい雰囲気を作り、本人が8割、9割話すように心がけています。 意見を否定したり、批判したりせず、まずは受け止めるようにしています。


ーー 特定技能外国人の受け入れのために、在職している日本人の方向けに行っている取り組み等があれば教えてください。
外国人材ということに限らずですが、 国籍や在留資格に関係なく新入社員がスムーズにキャリアアップできるよう、受け入れ側が意識することは大切だと考えています。また、OJTの際の配慮すべき考え方などは責任者や先輩社員に浸透させるよう取り組んでいます。

業務マニュアルの日本語や見せ方を工夫し業務を円滑化

ーー 特定技能外国人の方とのコミュニケーションにおいて何か工夫をされていますか。
分かりやすい日本語を使うように心がけています。 業務マニュアルを優しい日本語にしたり、写真や動画を多く取り入れたりするなどの工夫もしています。 レストランでの料理説明では、日本語と英語に加えて、ローマ字表記も掲載することで言語レベルに依存せずにその文章を読むことができるようにしています。 また、作業漏れや指示の齟齬がないように、チェックリストを活用するようにして業務の円滑化を図っています。

ーー 異文化を理由として特定技能外国人の方に対して配慮や対応をしたことがありますか。どのような内容で対応をされましたか?
はい、ラマダン期間中は日中は食事がとれないのでの早番に入りたいというシフト調整の要望に応えたり、食事として提供している豚肉を使っているお弁当にはシールを貼って分かりやすくするなど、宗教や文化に配慮した対応を行っています。


ーー その他、意識していることがあれば教えてください
日本人の方と変わらないように接することを心がけています。 その上で、文化の違いなどを理解し、長く活躍していただけるようにサポートしていきたいと考えています。


ーー これから特定技能の雇用を検討されている企業の方にアドバイスやメッセージをお願いします。
特定技能外国人の雇用には、手続きなどで手間がかかる部分もありますが、「Linkus」のような支援業務システムを活用しながら、積極的に受け入れていただきたいです。今後も外国人材の雇用は増えていくと思いますが、外国人の方々が、様々な業界で活躍されることを期待しています。

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