入国前の教育から定着まで一気通貫で“伴走する”支援を「株式会社ONODERA USER RUN」

特定技能の本格運用が各所で進むなか、就業後の活躍や定着は多くの企業にとって重要な関心事となっています。今回のインタビューでは、入国前の無償教育から紹介、生活・定着支援まで一気通貫で伴走する登録支援機関のONODERA USER RUN、ブランドコミュニケーション部の江渕様 に、独自の仕組みと現場のリアルな声を伺いました。


各国の自社無償教育拠点からの一貫した教育支援

ーー まずは株式会社ONODERA USER RUNの事業概要と、特定技能分野における取り組みについて教えてください。

江渕:ONODERA USER RUNは、ONODERA GROUPの中の1つの企業として、ヒューマンリソース事業を行っています。

ONODERA LIFE SUPPORT(OLS)、ONODERAナーシングホーム(ONH)などの事業会社を内包し、

OLSでは特定技能人材の住居手配等の生活支援を行い、ONHでは有料老人ホームの運営などの介護事業を行っています。

ーー ヒューマンリソース事業の領域について、もう少し詳しく伺えますでしょうか?

江渕:ヒューマンリソース事業では、特定技能人材の教育から入国後の支援までを一気通貫で行うスキーム「OUR ストレートスルー」を提供しています。

 当社は海外現地で「OUR BLOOMING ACADEMY」という教育拠点を運営しており、日本で働きたいと願う現地の若者に無償で日本語と特定技能の教育を実施しています。

無償であるからこそ、厳格なスクリーニングを実施し、やる気、学力を兼ね備えた志の高い学生だけが卒業し、日本の人材不足でお困りの受け入れ事業様で就労する機会を得るという流れです。

現在の拠点はインドネシア/フィリピン/ミャンマー/ラオス/ウズベキスタンの5か国6拠点です。教育は完全無償で、約6か月の学習期間を基本にしています。指導内容の内訳は日本語が約4か月、分野別が約2か月。分野は介護・外食・宿泊・飲食料品製造・航空等、拠点によって提供範囲が異なります。

ーー幅広い地域で無償教育を提供しているんですね。

江渕:そうですね。先ほど申し上げた拠点に加え、今年12月にインドネシア2校目となるメダン校、来年にはモンゴル/バングラデシュの新校開設を予定しています。

そういった取り組みからOECD国際会議に2023年、2024年の2年連続で日本企業の代表として参加をいたしました。また、モンゴル、バングラデシュの各政府と基本合意(MOU)を締結し、現地における教育と就労機会の提供準備を官民連携で前に進めています。

こまやかなコミュニケーションと専門的な支援員のサポートで定着を支援

ーー お話を伺っていて、入国前の教育に非常に力を入れているなと感じました。御社が特に支援において大事にしている点や強みのある分野・国籍等はあるのでしょうか?

江渕:まず、対応国籍に関しては、フィリピン、ミャンマー、インドネシア、ラオス、インド、ウズベキスタンで、今後の教育拠点の開校国としてバングラデシュ、モンゴルを予定しています。

また、最も弊社が力を入れている分野は介護分野になっています。介護分野は支援数全体の約半数ほどになります。

特に登録支援機関として大事にしている点では、外国人材と企業の双方のコミュニケーションを最も大切にしております。我々が間に入ることで、トラブルの未然防止、受入れ企業と外国人材の双方に適切な温度感でのコミュニケーションで意思疎通をはかるようにしています。

ーー 支援にあたっては、コミュニケーションを大事にしているということですが、具体的にはどのような対応をされているのでしょうか?

江渕:そうですね、先ほど、特に介護分野の支援割合が大きいとお話ししましたが、当社では介護福祉士の資格を持ち、現場経験を持つ人材が支援員として支援に当たっているケースもあります。

 介護の現場で何年もキャリアを積んできたスタッフになるので、専門的な知識や、業界知識等を有しています。そのため、企業側・外国籍人材側が話すことの具体的な業務や状況に対する深い理解ができます。それによって双方にとって適切なコミュニケーションや支援を行うことが可能になっています。

業務内容を具体的に把握し、“現場のことば”で噛み砕いて伝えられるので、企業さまの悩みや改善ポイントを、実装可能なやり方として返せるのが強みですね。

ーー 支援員をしている中で現場での研修等を通じて資格をとるのではなく、実際に介護福祉士としてキャリアを積んだ方が、支援員になっているのですか?

江渕:はい。今在籍しているスタッフは元々、何年も介護福祉士として現場で勤務されていた方がキャリアチェンジとして外国人の支援を行っているパターンが多いです。

現場で勤務されている時に外国人材と接していた経験があり、その経験からもっと支援を行いたいという目的を持ってキャリアチェンジをされています。

ーーなるほど、他にはどのような工夫をされていますか?

 当社の場合、現地での教育の段階から特定技能人材と関わるので、個人の性格や宗教・文化的な背景含めて把握しています。そのため、企業側に入社前の段階から認識の齟齬が無いように情報を共有し、ご納得いただいた上での採用という流れを作ることが可能です。

入国前から関わるからこそ可能な定着支援

ーー 宗教・文化配慮の運用は、採用前から設計するとのことでした。具体例を教えてください。

江渕:特定技能人材や受け入れ先企業の希望にもよりますが、たとえば礼拝やクリスマス休暇など、面接段階で希望を確認し、勤務設計に織り込みます。現場への共有や社内説明会の実施等をセットで行うことで、ミスマッチを未然に防ぐことができます。

ーー 一気通貫で支援できるからこその対応ですね。実際に様々な企業様を支援していて、受け入れ企業から寄せられる相談のTOP3があれば教えてください。

江渕:最も多いのは、入管手続や制度運用の解釈に関する質問です。合わせて、日本語・専門学習の教育方法についても相談が多いです。

そしてやはり、宗教・文化への配慮もよくご相談いただきます。

ーーそうした相談に、どのように対応されているのでしょうか?

江渕:例えば、入管・制度の変更点は誤解が生まれやすいので、面談のタイミングで最新情報をアップデートするようにしています。

また、学習支援については当社が提供している学習アプリの使用ログや面談でのヒアリングを基に、企業さまへ学習進捗を共有しています。

文化理解については国毎のハンドブックなどを作成して先回りの情報提供を心掛けています。

ーー 外国人材の皆さんからの相談は、どのようなものが目立ちますか?

江渕:行政手続・公的通知の読み解き(年金、年末調整、市区町村からの郵便など)、給与明細・残業・有給・税金といったテーマが中心です。書類の写真での共有や必要手続きのガイドで漏れを防ぎ、控除の考え方まで丁寧に説明します。人間関係のつまずきについては、現場止まりにせず管理層へ可視化して、働きやすい環境づくりにつなげます。

また、社内では事例・ナレッジを共有、活用することで、支援内容の充実を図っています。

ーー 御社では、「定着」をサービスの一つとしてホームページにも掲載されていますが、その理由は何でしょうか。

江渕:人材の定着は、受入れ企業の生産性向上、社会の持続性、そして本人の幸せを同時に実現するために欠かせないものだと考えています。そのため、弊社では、就労後も長く安心して働き続けられるよう、人材の紹介にとどまらず、学習支援や住まい・通信環境(ハウジング・SIM販売)など、定着につながる生活面のサポートまで一貫して行っています。また、希望するキャリアへ近づくために講座案内や受験時期の設計まで含めて伴走しています。

ーー 入国前からその後まで、徹底して伴走できる点は、日本で働く特定技能の方にとっても安心できる体制ですね。今後、重点的に強化していきたい点は何でしょうか。

江渕:教育面では分野別の専門講座と日本語の教育をさらに密にします。支援面では面談データと学習ログの連携を深め、早期検知→早期介入の精度を上げたい。受入企業さまとの**共同学習(リテラシー共有)**も継続していきます。

 また、特定技能1号の在留期間終了後のキャリア支援についても、今後は力を入れていきたいと考えています。例えば、数十名単位でご採用いただいている企業様の場合、現地での学習も一クラス分、その企業様にカスタムした内容を実施することが可能です。将来的には日本で働いた後、母国に戻りたい場合は就業していた企業の海外の支店・拠点で勤務を続けるといった流れが生まれれば、より長期的なキャリア支援につながると考えています。

ーー 最後に、これから受け入れを検討する企業へのメッセージをお願いします。

江渕:実際に特定技能外国人の受け入れは、外国人材本人や、当社のような登録支援機関のみの努力だけではどうしても成功しない。受け入れ企業様のご協力が必要不可欠であるというところは非常に実感しているところです。

そして、受け入れがうまくいっている企業様の話をお伺いすると日本人だから外国人だからということではなく、国籍関係なく全従業員にとって働きやすい環境を整備していただいており、職場の定着率も高くなっています。可能な範囲で環境を整えていくことで、日本人・外国人両方の定着が進み、人手不足の課題解決につながっていくのではないかと思っております。

タイトルとURLをコピーしました