
2027年開始予定で、特定技能制度に[リネンサプライ]が追加されます。ホテルや病院などで使用されるリネン類の洗濯・仕上げ・管理を担うリネンサプライ業界では、慢性的な人手不足が課題となっています。今回の制度改正により、特定技能外国人の受け入れが可能となれば、人材確保の新たな選択肢として期待されています。
一方で、「どのような業務を任せられるのか」「受け入れにはどのような要件があるのか」と気になっている企業担当者も多いのではないでしょうか。本記事では、特定技能[リネンサプライ]の概要や受入見込み人数、業務内容、受け入れ企業の要件について解説します。
本記事では、特定技能に追加予定の新3分野の概要や追加の背景、受入見込み人数、企業への影響について解説します。また、制度開始に向けて企業が今から準備しておきたいポイントについても紹介します。なお、特定技能制度の運用や対応方針についての不安やご不明点は、支援業務管理システム[Linkus]や、自社支援体制の構築をサポートする[特定技能アドバイザー]にご相談ください。
特定技能[リネンサプライ]とは?
リネンサプライ業界の役割
リネンサプライ業界は、ホテル、旅館、病院、介護施設などに対して、シーツやタオル、衣類、ユニフォームといったリネン類を貸与(レンタル)し、使用されたものを回収・洗濯・仕上げして再び納品するサイクルを担う業界です。観光業のインバウンド需要回復や、高齢化に伴う医療・福祉ニーズの拡大により、社会を支える重要なインフラとしての役割を持っています。
特定技能制度に追加された背景
2026年1月23日の閣議決定により、[リネンサプライ]、[物流倉庫]、[資源循環]などの新分野が特定技能の対象(計19分野)へ追加されました。これにより、2027年度からの本格的な受け入れ開始に向けて準備が進められています。
人手不足が深刻化している現状
観光需要の急増や医療現場の拡大に伴い、リネン類の取扱量は増加し続けています。しかし、リネンサプライ業の現場は国内人材の確保が極めて難しく、2028年度には約2万人の人材不足に陥るという試算もあります。こうした深刻な労働力不足に対し、リネンサプライ分野も特定技能制度の対象に追加され、外国人材を採用する新たな選択肢が広がることになりました。
特定技能[リネンサプライ]の受入見込み人数
受入見込み人数の概要
政府の発表によると、特定技能[リネンサプライ]における向こう5年間(2028年度末まで)の国全体での外国人受け入れ見込み数は、最大で「7,700人」と設定されています。このうち、在留資格[特定技能1号]としての受け入れ見込み数は「4,300人」です。この上限に達した場合は、新規の受け入れが一時的に停止される措置が取られる運用となっています。
育成就労制度との関係
7,700人の受け入れ枠のうち、残りの「3,400人」は、2027年から従来の技能実習制度に代わってスタートする新たな「育成就労制度」の枠として割り当てられています。未経験の外国人材を育成就労として3年間受け入れて育成し、その後[特定技能1号]へとスムーズに移行してもらうという、地続きのキャリアパスを構築することが前提となっています。
特定技能[リネンサプライ]での外国人採用を検討している企業の皆さんへ
特定技能制度の対象拡大により、リネンサプライ業界でも外国人材採用の選択肢が広がる可能性があります。一方で、受け入れ要件の確認や支援体制の整備など、制度開始前から準備しておきたいポイントも少なくありません。[Linkus]では、特定技能外国人の採用支援や制度活用に関するご相談を承っています。

特定技能外国人が従事できる業務
従事可能な主な業務
法務省の運用要領(案)によると、[リネンサプライ]分野の特定技能外国人が従事する主要な業務は「リネン類の入荷から出荷までの一連の業務」と定義されています。具体的には、回収されたリネン類の入荷・仕分け、大型洗濯機や乾燥機の操作、ロールアイロナーなどを用いた仕上げ(プレス・たたみ)、検品、結束、出荷準備といった工場内での一連の作業が対象です。
関連業務として認められる業務
主たる業務のほかに、日本人が通常従事している「関連業務」に付随的に従事することは認められています。例えば、工場内で使用する資材の運搬作業や、作業場・設備の清掃作業などがこれに該当します。ただし、専ら関連業務だけを行わせることは禁止されています。
配送業務は従事できる?
結論として、納品先へトラックを運転してリネン類を届けるような「車両を運転して納品先へ配送する業務」は、リネンサプライ分野の業務範囲には含まれません(※自動車運送業分野が別で設定されています)。特定技能[リネンサプライ]で認められるのは、あくまで工場内における「出荷準備・納品物の仕分け」までとなるため、配置転換や業務命令の際には注意が必要です。
特定技能外国人に求められる要件
技能試験
[リネンサプライ]分野で特定技能1号を取得するためには、今後新設される「リネンサプライ分野特定技能1号評価試験(仮称)」に合格する必要があります。試験では、リネン類の洗濯・仕上げ・安全衛生などに関する知識や技能が評価されます。
日本語能力要件
日常生活や現場での指示を理解できるレベルの日本語能力が必要です。「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)のA2レベル以上」または「日本語能力試験(JLPT)のN4以上」への合格が必須要件となります。
技能実習から移行できる可能性
2027年以降は「育成就労」からの移行がメインストリームとなりますが、既存の関連する技能実習(例えば衣服縫製やクリーニング職種など)を良好に修了している外国人や、他分野から試験を経てルート変更してくる外国人についても、要件を満たせば特定技能として受け入れられる可能性があります。
特定技能[リネンサプライ]で外国人材を受け入れる企業の要件
共通の受入要件
他の特定技能分野と同様に、受け入れ企業(特定技能所属機関)が労働基準法などの関係法令を遵守していること、過去に外国人関連の不正行為を行っていないこと、日本人と同等以上の給与を支払うことなどが大前提となります。
衛生基準への対応
リネンサプライ業界、特に病院リネンやホテルリネンを扱う事業者には、厳しい衛生管理が求められます。受け入れ企業側は、関係省庁が定める衛生基準やガイドラインに則った適切な作業環境を維持している必要があります。
業界団体への加入要件
特定技能外国人を受け入れる企業は、制度の適正な運用を図るため、厚生労働省が設置する協議会への加入などが求められる予定です。これらは、不適切な雇用を防ぎ、業界全体でサポートを行うための要件となります。
企業側:今から準備したいこと
採用計画を見直す
2027年の受け入れ開始に向けて、「いつまでに」「何名」の外国人材を確保するのか、中長期的な人員配置と採用計画を組み立てましょう。他社に先駆けて即戦力を確保するためのスケジューリングが肝心です。
受け入れ体制を整備する
外国人材が安心して働ける環境を作るため、工場内の安全衛生表示の多言語化や、業務マニュアルの整備を進めましょう。また、現場の日本人スタッフに対して、外国人受け入れへの理解を促す社内研修を行うことも大切です。
採用ルートを確保する
特定技能外国人を自社で直接募集するのか、それとも実績のある登録支援機関や人材紹介会社を経由して募集するのか、今のうちから信頼できるパートナー企業や採用ルートを選定しておく必要があります。
制度改正の情報収集を進める
特定技能の運用要領や、2027年に施行される育成就労制度の細かなルールは、順次アップデートされていきます。省庁の発表や専門機関のニュースを定期的にチェックし、最新の要件を把握しておきましょう。
特定技能制度の最新情報をチェックしたい方へ
特定技能制度や育成就労制度は今後も制度改正や運用ルールの見直しが予定されています。[特定技能アドバイザー]では、外国人採用に役立つ最新情報や制度解説を発信しています。

まとめ
リネンサプライ業界では人手不足が深刻化しており、外国人材の活用は今後ますます重要になると考えられます。制度の開始によって、ホテルリネンや病院リネンを扱う事業者にとって、人材確保の選択肢が広がる可能性があります。
一方で、受け入れには業界特有の要件や準備が必要です。制度開始後にスムーズに採用を進めるためにも、最新情報を確認しながら、受け入れ体制や採用計画の整備を進めておくことが重要です。なお、特定技能制度の運用や対応方針についての不安やご不明点は、支援業務管理システム[Linkus]や、自社支援体制の構築をサポートする[特定技能アドバイザー]にご相談ください。