
2027年開始予定で、特定技能制度に[リネンサプライ][物流倉庫][資源循環]の3分野が新たに追加される見込みです。これらの分野は、いずれも慢性的な人手不足が課題となっている業界であり、外国人材の活用による人材確保が期待されています。
一方で、「自社も特定技能外国人を採用できるようになるのか?」「どのような準備が必要なのか?」と気になっている企業担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、特定技能に追加予定の新3分野の概要や追加の背景、受入見込み人数、企業への影響について解説します。また、制度開始に向けて企業が今から準備しておきたいポイントについても紹介します。なお、特定技能制度の運用や対応方針についての不安やご不明点は、支援業務管理システム[Linkus]や、自社支援体制の構築をサポートする[特定技能アドバイザー]にご相談ください。
特定技能に追加される新3分野とは?
追加予定の3分野
2027年からの本格運用に向けて、特定技能制度の対象として、以下の3分野が追加されることが決定しています。
- ・リネンサプライ
- ・物流倉庫
- ・資源循環
これにより、これまで特定技能の枠組みでは外国人採用が難しかった業界でも、在留資格「特定技能」を用いた即戦力の人材確保が可能になる見込みです。
各分野の概要
- ・リネンサプライ分野:ホテルや病院などで使用されるシーツ、タオル、衣類などの洗濯・管理・配送準備を担う業務が中心です。
- ・物流倉庫分野:EC市場の拡大に伴い需要が急増している倉庫内での、仕分け、ピッキング、梱包、入出庫管理などの業務を指します。
- ・資源循環分野:廃棄物のリサイクルや分別、処理施設の運営など、サステナブルな社会を支えるための各種循環業務が含まれます。
なぜリネンサプライ・物流倉庫・資源循環が追加されるのか
深刻化する人手不足への対応
少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少により、日本の労働力不足は全産業において深刻な課題となっています。特にリネンサプライ、物流倉庫、資源循環の3業界は、業務の需要が拡大している一方で、国内での人材確保が極めて難しく、慢性的な人材不足対策が急務となっていました。
外国人材活用の対象拡大
これまでも技能実習生などの形で外国人材が活躍しているケースはありましたが、一定の技能と日本語能力を持つ人材を受け入れられる「特定技能」の在留資格を認めることで、業界全体の労働力不足の緩和につなげる狙いがあります。これにより、外国人材採用を検討する受け入れ企業側の選択肢も一気に広がることになります。
育成就労制度との連携
2027年は、従来の技能実習制度に代わる新たな「育成就労制度」への移行期とも重なります。育成就労制度は、未経験の外国人材を3年間で特定技能1号のレベルまで育成し、スムーズに特定技能へ移行させることを目的としています。今回の新分野追加は、この育成就労から特定技能へのキャリアパスを地続きにし、外国人材の中長期的な定着を促すための重要な制度改正の一環です。
新3分野の受入見込み人数
新分野の追加にあたり、今後数年間でどの程度の外国人材を受け入れるかという「受入見込み人数(受入上限)」が示されています。公式資料では、分野全体の受入見込み数として、リネンサプライ7,700人、物流倉庫18,300人、資源循環4,500人が示されています。(2026年7月3日時点)現時点で想定されている各分野の状況は以下の通りです。
リネンサプライ分野
観光業の回復によるホテル需要の増加や、医療・福祉現場からの需要拡大に対応するため、数千人規模の受入が見込まれています。
物流倉庫分野
EC市場の拡大や物流需要の増加により、倉庫内の仕分け・管理を担う人員の不足も深刻化しており、3分野のなかでも特に大きな規模での受入枠が設定される見通しです。
資源循環分野
脱炭素社会やSDGsへの取り組みに伴い、リサイクルプラントや産業廃棄物処理業者での需要が高まっています。一定の専門知識や安全管理が求められる現場において、現場を支える人材として、特定技能外国人の受け入れが期待されています。
参考:リネンサプライ分野特定技能制度などの概要 – 厚生労働省
特定技能外国人を採用できる企業は増える?
これまで対象外だった企業にもチャンス
「外国人採用を検討したことがあるが、自社の業種が特定技能の対象外だったため諦めた」という企業にとって、今回の追加は大きなチャンスです。要件を満たせば、中小企業であっても特定技能外国人を直接雇用できるようになる見込みです。
外国人材採用の選択肢が広がる
特定技能は、技能実習のような「国際貢献(技術移転)」を目的とした制度ではなく、「人手不足の解消」を目的とした就労資格です。そのため、現場の即戦力として、日本人従業員と同等以上の報酬水準で雇用する必要があります。
まずは自社が対象になるか確認
制度が開始されてから動くのでは、他社に出遅れてしまう可能性があります。まずは、自社の事業内容が新3分野の「該当業務」に含まれるかどうか、最新の情報をもとに確認を進めることが大切です。
特定技能外国人の受け入れを検討している企業ご担当の皆さんへ
新たな対象分野の追加により、これまで特定技能制度を利用できなかった企業でも、外国人材採用の選択肢が広がる可能性があります。一方で、受け入れ要件や支援体制の整備、各種手続きなど、事前に確認しておくべき事項も少なくありません。
[Linkus]では、特定技能制度に関する情報提供から採用支援まで、企業の状況に合わせたサポートを行っています。「自社が対象になるのか知りたい」「外国人採用を検討している」という企業担当者の皆さん、お気軽にご相談ください。

特定技能外国人の採用を検討する企業が今から準備したいこと
2027年の新分野追加に向けて、企業側が今から取り組むべき準備のポイントを4つに分けて解説します。
採用計画を見直す
新分野が追加される2027年に向けて、中長期的な人員計画を策定しましょう。「何名採用するのか」「日本人スタッフとの役割分担はどうするか」など、具体的な採用戦略を今のうちから練っておく必要があります。
受け入れ体制を整備する
特定技能外国人を受け入れるためには、社内の生活支援や業務指導の体制(受け入れ体制)を整える必要があります。外国人材が安心して働けるよう、社内規定の整備や、現場の日本人スタッフへの理解を促す社内研修などを計画的に進めましょう。
制度に関する情報収集を進める
特定技能の要件や手続きは、法改正や運用要領の変更によってアップデートされることが多々あります。特に出入国在留管理庁(入管)や各省庁から発表される最新情報を常にチェックしておくことが重要です。
登録支援機関への相談を検討する
特定技能1号の外国人を雇用する場合、企業には日常生活や公的手続きをサポートする「支援計画」の実施が義務付けられています。自社での実施が難しい場合は、[特定技能アドバイザー]へご相談ください。
2027年開始に向けて押さえておきたいポイント
試験制度の詳細公表
特定技能の資格を得るためには、日本語能力を確認する試験と、業種別の技能評価試験に合格する必要があります。新3分野の試験がいつ、どのような内容で実施されるのか、その詳細公表を待つ必要があります。
受け入れ要件の整備
企業側に求められる施設基準、事業主が加入すべき業界団体への加盟義務、過去の労働法違反の有無など、受け入れ企業側に課される要件の細部もこれから確定していきます。
制度運用開始までのスケジュール
2027年のスタートに向けて、今後は省令・告示の整備や試験制度の詳細公表、運用ルールの具体化などが順次進められる見込みです。
制度改正や最新情報を見逃したくない方へ
特定技能制度は、育成就労制度の開始や対象分野の拡大など、大きな変化が続いています。最新情報を把握しながら、自社に適した採用戦略を検討するためには、正確な情報収集が欠かせません。
[特定技能アドバイザー]では、制度改正や外国人採用に関する最新情報を発信しています。特定技能制度の活用を検討している企業担当者の方は、ぜひご活用ください。

まとめ
人手不足が深刻化するなか、外国人材の活用は多くの企業にとって重要な選択肢の一つになりつつあります。今回の制度改正により、これまで特定技能制度の対象外だった企業にも新たな可能性が広がることが期待されています。
一方で、試験制度や受け入れ要件など、詳細は今後順次公表される見込みです。特定技能外国人の採用を検討している企業は、制度の最新動向を継続的に確認しながら、採用計画や受け入れ体制の準備を進めておくことが重要です。
まずは、自社が対象となる可能性があるかを確認し、将来の人材確保に向けた選択肢の一つとして特定技能制度の活用を検討してみてはいかがでしょうか。なお、特定技能制度の運用や対応方針についての不安やご不明点は、支援業務管理システム[Linkus]や、自社支援体制の構築をサポートする[特定技能アドバイザー]にご相談ください。