異国の地での就労の不安に寄り添い自立に導く。徹底した生活・教育支援で長期定着を叶える「株式会社ケアサクラ」

特定技能の登録支援機関が増加し、価格競争が進む中、「価格」以外の価値提供をどのように行うかを課題にしている登録支援機関も多いのではないでしょうか。株式会社ケアサクラでは、「お湯の出し方」から始まる生活のディテール指導、独自のメンタルケア、そして国家資格「介護福祉士」の取得まで、外国人スタッフ一人ひとりの人生に深く寄り添うサポートにより、受け入れ企業だけでなく、特定技能外国人にとっても強力なパートナーとしての立場を確立しています。

なぜそこまで徹底したサポートを行うのか。そして、文化も習慣も大きく異なる外国人スタッフを受け入れ、定着させるために、現場や企業が本当に大切にすべき視点とは何なのか。

外国人雇用の最前線で「真の異文化理解と伴走」を体現し続ける、株式会社ケアサクラの代表取締役社長である橋本謙太郎氏にお話を伺いました。

在籍する4名の介護福祉士による学習指導と、メンタルチェックから生活まで寄り添うケアサクラの手厚い支援

――まずは、御社の事業内容と活動概要について教えていただけますでしょうか。

橋本太郎氏(以下、橋本): 弊社は登録支援機関として事業を展開しておりますが、他の支援機関とは異なるいくつかの大きな特徴があります。

1つ目の特徴は、「介護分野に特化している」という点です。 2つ目の特徴として、弊社社員の介護福祉士が外国人スタッフの皆様に対して直接介護の学習を教え、日本の国家資格である「介護福祉士」の取得を目指す体制を整えています。 3つ目は、「極めて手厚い生活・就労支援」をモットーにしている点です。弊社は10項目の義務的支援をすべて確実に実施することはもちろん、その項目に含まれない範囲まで幅広くサポートを行っています。

この広範かつ手厚い支援と独自の学習サポートがあるからこそ、外国人スタッフの皆様からも「このサービスや学習がなくなるのは嫌だ」と感じていただけており、業界全体で課題となっている離職率を大幅に抑えることに成功しています。

さらに、弊社は「株式会社メンタルヘルステクノロジーズ」という企業のグループ会社であるため、同社が保有するメンタルチェックのプロダクトなどを無料で提供し、精神面からも離職を防止する取り組みを行っている点も、他社にはない強みです。

――現在メインで支援されている国籍と、登録支援機関としての活動において最も大切にされていることについて、詳しくお聞かせください。

橋本: メインで扱っている国籍はインドネシアとミャンマーです。

私たちが最も大切にしているのは、「外国人の皆様を、単なる労働力のピースや駒として扱わない」ということです。彼らには日本で長く、安心して働いていただきたいという強い願いを持っています。そのため、「特定技能の5年間が終了したら終わり、お疲れ様でした」というスタンスは取っていません。

日本で介護職として永続的に働くためには、国家資格である「介護福祉士」に合格する必要があります。実は介護分野だけは「2号」という区分が存在しません。その代わりに「介護ビザ(在留資格『介護』)」という別のビザが用意されており、その取得要件は「介護福祉士国家試験への合格」です。

この試験は本来日本人向けに作られた国家資格ですから、外国人には非常に厳しいハードルとなります。だからこそ、私たちは、合格を目指した手厚い学習サポートの仕組み作りに注力しているのです。

――昨今、登録支援機関を取り巻く環境も変化しています。その中で御社が提供できる独自の強みや付加価値について教えてください。

橋本: 確かにこの5〜6年でプレイヤーが爆発的に増え、市場がレッドオーシャン化したことで、価格競争が激化しています。その結果、多くの登録支援機関や企業が「コストを抑えるために、極力何もしない」という方向へ流れてしまっているのが現状です。

私たちはその流れにあえて逆行し、「他社より価格が多少高くても、その分徹底的に、ちゃんとした支援をやる」という姿勢を貫いています。

企業様が「コスト削減のために自社支援に切り替えよう」と考えた場合、当然、自社で専任の担当者を雇う、あるいは既存社員に業務を割り振る必要があります。私たちは、その自社で人を抱えて支援体制を構築する際にかかる人件費(コスト)よりも、弊社の委託費の方が「絶対に安く、手離れが良い」という価値基準で勝負しています。

弊社は何十社もの受け入れ企業様とお付き合いがあり、何百人もの外国人介護士を支援しているため、スケールメリットを活かして1社あたりの負担コストを小さく抑えられます。私たちは「外国人雇用のプロ」として、企業様に一切の煩わしさを感じさせないコンセプトで現場を支えています。

――かなり丁寧に現場コミットされていますが、受け入れ企業様からどのような相談が寄せられるのでしょうか。

橋本:受け入れ企業様からのご相談は、例えば「外国人の同僚が病院に行きたいと言っているから、お願い」というような、本当にシンプルな一言だけです。

その一言をいただければ、私たちはタクシーの手配から病院の予約、初診の連絡まですべてを代行します。特に外国人の場合、「自分が何科にかかればいいのか」が分かりません。自分で症状を判断して適切な診療科を選んで受診するというのは、実は日本特有の文化です。

私たちは本人へのヒアリングから詳細な状況を捉えた上で、近場の適切な病院やクリニックを探します。他にも、介護の現場では、介護士が腰を痛めてしまうケースが多々あります。その際は、彼らの母国にはない「整骨院」を提案し、保険が適用される旨を説明して、営業時間を確認した上で「外国人の受診でも大丈夫か」と事前に問い合わせるなど、そこまで徹底して対応します。

また、役所から届く複雑な書類や、水道光熱費の支払い手続きといった私生活のサポートも行っています。日本のシステムに慣れていない彼らに、口座引き落としや電子マネーの使い方から教えています。

「困ったことがあれば全部ケアサクラに聞けば解決する」という状態を作っているため、現場の職員様が外国人スタッフの私生活のトラブルに時間を奪われることは一切ありません。

――それだけ細やかに支援をしているので、外国人スタッフの方々も御社を頼るようになるのですね。

橋本: はい、外国人スタッフの皆様も直接弊社に連絡をくれる関係性ができています。

例えば、給与明細の「控除」について質問が来ることがあります。なぜなら、海外には日本のような複雑な控除の仕組みがない国が多いからです。働いた分の額面をそのまま受け取るのが当たり前だったり、控除額が最初から一律である国もあります。

しかし日本では様々な条件によって控除額が変わるため、事前に正確な手取りを出すことができません。そのため彼らからすると「なぜこんなにお金が引かれているのか」とパニックになります。ミャンマーのように、税金がほぼ機能していない国から来ている方には、場合によっては、「税金とは何か」という社会の仕組みから教えることもあります。

さらに、ベトナムのような社会主義国家から来た外国人スタッフの場合、他社の給与と比べ、「なぜ他の人と賃金格差があるのか」と聞いてくることもあります。彼らの感覚では、同じ職種であれば国全体で給与が一律であるべきだという意識があるため、個々の企業による賃金格差という概念が理解しにくいのです。

このように、国家のあり方や文化の根底から異なるため、私たちは「何でもこっちに聞きなさい」というスタンスで、日々の些細な疑問をすべて引き受けています。細かな疑問を都度解消していくことが、安心して働くことにも繋がっています。

密接なサポートがもたらす、受け入れ企業への高い帰属意識

――逆に外国人スタッフの方々の信頼が御社に集中し、「受け入れ企業(施設)への帰属意識」が薄れてしまうのではないかという懸念はありませんか?

橋本: それは全くありません。なぜなら、私たちは「他社よりも手厚いケアサクラのサービスを受けられているのは、あなたの所属している施設が、毎月費用を支払ってこの環境を用意してくれているからなんだよ」ということを、コミュニケーションの中で明確に伝えているからです。

「施設の皆さんがあなたのことを大切に想い、頑張って働けるように応援してくれているんだ」と伝えることで、外国人スタッフは施設に対する感謝と高い帰属意識を持つようになります。

そのため、外国人スタッフが現場でのちょっとした不満から「なんとなく転職したい」と言い出しても、私たちは「安易な転職は認められないし、ここを離れたらケアサクラのサポートも受けられなくなるよ」と諭します。それが離職を防ぐ抑止力としても機能しています。

もちろん、結婚による転居など、やむを得ない特殊な事情がある場合は別です。その際は、次の就労先でも安心して働けるよう伴走します。日常生活のトラブルや、「恋人と喧嘩した、寂しい」といったプライベートな相談まで、弊社の母国語スタッフが親身に受け止めてアドバイスしています。

――特定技能の現場では、人間関係の摩擦や誤解による悩みをよく耳にします。こうした現場でのメンタルケアや企業との連携は、どのように進めていますか?

橋本: 人間関係の誤解は非常に起こりやすいですね。外国人介護スタッフから連絡が来た段階で、私たちは即座に就労先である受け入れ企業の担当者様に連絡を入れます。なぜなら、本人が「誰かに相談しよう」と決意して連絡してくる時点で、それはすでに本人の中で重大な問題になっているからです。

「本人がこのような言動を気にしている様子なのですが、現場での状況はいかがでしょうか」と受け入れ企業様に確認します。

誤った理解であれば、施設側から本人へ改めてアプローチをしてもらったり、あるいは弊社の母国語スタッフを介して、彼らの母国語で「あの指導はネガティブな意味ではなく、こういうポジティブな意味だったんだよ」と翻訳して伝えます。

必要であれば、オンラインで受け入れ企業・外国人介護スタッフ・弊社の3者をつないでダイレクトにミーティングを行うこともありますし、大抵の場合は、1〜2回の対話でほぼ解決します。それでも解決しない場合、私たちが直接、全国各地の現場へと赴きます。

――東京に本社があり、現場が地方にあるような場合でも、直接足を運ばれるのですか?

橋本: はい、オフィスは全国6ヶ所にあり、どこへでも行きます。現在、ガイドラインでは「四半期に一度の定期面談について、特定の要件を満たせばオンラインも可能だが、少なくとも1年に1回は対面で行うこと」とされていますが、私たちは何度も直接現場へ赴いています。

実際に現場へ行って目で見てみないと分からないことばかりですから、私たちは「行くべき時はすぐに現場へ行く」というフットワークの軽さを大切にしています。

想像を超える生活習慣のギャップを埋める「異文化理解」の事前ガイダンス

――現場の日本人職員や担当者様に対しては、どのような「異文化理解」のサポートを行っていますか?

橋本: 外国人介護スタッフが入国して配属される前に、現場の職員様を対象とした「文化の勉強会」や事前ガイダンスを必ず実施しています。特に初めて外国人を雇用する企業様や、これまで受入した方とは異なる国籍を受け入れる際には入念に行います。

「現地ではこういう文化があり、こういったトラブルが起きやすい傾向にある」「こういう行動が見られたときは、このように声をかけてあげてください」といった具体的なポイントをお伝えしています。

同時に、外国人介護スタッフ側に対しても、日本の商習慣や文化を熟知している同郷の先輩(弊社の母国語スタッフ)が、時間をかけて事前ガイダンスを行います。私たちが独自に作成した詳細な生活マニュアルを読み合わせながら、日本でのルールを1つずつ教えていきます。

彼らの母国の常識には、日本人が想像もつかないレベルのギャップが存在します。

例えばインドネシアやミャンマーは一般家庭にガスの給湯インフラがなく、年中暖かい国であるため、お風呂は冷たい「水」を浴びるのが普通です。そのため、お湯の出し方が分からず、施設の高齢者の入浴介助を、常温の水で行ったりするというトラブルが、他社の支援現場では実際に起きています。私たちは「日本の住宅や施設はどこでも必ずお湯が出る」という仕組みから丁寧に教えます。

日本人が「これくらい言わなくても分かるだろう」「教えるのは失礼かもしれない」と思ってしまうような日常の当たり前が、彼らにとっては未知の世界なのです。このギャップのレベルを企業様にあらかじめ理解していただくことで、現場での不要なストレスや「不誠実な態度に見える」といった誤解を防ぐことができます。

――異国の地での生活や慣れない仕事の中で、外国人介護スタッフのメンタル不調に気づいた際、御社ではどのように対応されているのでしょうか。

橋本: 先ほどお話しした通り、弊社の親会社である「メンタルヘルステクノロジーズ」は、企業向けのメンタルケアプラットフォームを提供しており、現在その契約数は業界トップクラスの実績を誇っています。

この実績あるプラットフォームを活用して外国人介護スタッフのメンタルチェックを定期的に行い、何重ものセーフネットを張っています。また、実際に外国人スタッフのメンタルに課題が見られた場合は、弊社の母国語スタッフが間に入り、近くのメンタルクリニックへの受診を促します。

彼らの母国では、「精神科やメンタルクリニックに通う」というと、相当重篤な状態になってから行く場所という認識が強く、強いタブー視や恐怖心があります。

私たちは「日本では風邪を引いたら病院に行って薬をもらうのと同じように、心が少し疲れたら気軽にメンタルクリニックに行って相談し、お薬をもらう文化があるんだよ。恥ずかしいことでもタブーでもないし、私だって行ったことがあるから安心していいんだよ」と、彼らの目線に合わせて優しく丁寧に説明します。

最短3年・最長5年で「日本で自立して生きる力」を育む伴走者(親)としてのビジョン

――今後の展望として、御社が目指す外国人雇用の未来へのビジョンをお聞かせください。

橋本: 私たちが目指しているのは彼らが将来、日本社会で自立して働けるように導く「伴走者」であり、時には「日本の親」のような存在になることです。

他の特定技能分野と違い、介護分野の外国人スタッフは3年間の実務経験を積めば介護福祉士の国家試験を受験でき、合格すれば期間制限のない「介護ビザ」へとすぐに切り替えることができます。ビザが切り替われば登録支援機関のサポートの対象外となるため、ビジネスの視点だけで見れば、支援対象者が減ってしまうことを意味します。

しかし、私たちはそれで構わないと考えています。私たちの元を離れて、彼らが自分の力で日本で生きていける環境を作ってあげることが、本来の登録支援機関のあるべき姿だからです。

そのため、「1回目は私たちが全部やって教えるけれど、2回目は将来のために自分の力でやってみようね」と促し、手続きのプロセスや社会の仕組みを本人に学習させていきます。

外国人介護スタッフから「橋本さんは私たちの日本のお父さんです」と泣きながら感謝されたり、私たちのサポート期間が終了した後も「近くに来たのでお茶でもどうですか?」と連絡をくれたり、彼らの結婚式に招待されることがあります。弊社の就労支援メンバーは全員、担当している外国人介護スタッフの顔と名前はもちろん、彼らの恋愛事情や将来の人生設計まで家族のように把握し、見守っています。

私自身、過去にインドネシアで1人で会社を立ち上げ、ビザの手続きや税金、法務局でのやり取りに誰にも相談できず闇雲に苦しんだ経験があります。あの時、自分が異国の地で味わった「誰を頼ればいいか分からない孤独と不便」を、日本を選んで来てくれた彼らには絶対に味わわせたくないその強い原体験が、現在のケアサクラの徹底した伴走支援の根底にあります。

――最後に、これから特定技能外国人の受け入れや雇用を検討している、あるいは現場の課題を解決したいと考えている企業の人事担当者様へアドバイスやメッセージをお願いします。

橋本: 初めて外国人を雇用される企業様にとって、数ある登録支援機関の中からどこを選ぶべきかを比較するのは非常に難しいと思います。その際、どうしても日本独自の文化である「相見積もり」を取り、月額の委託管理費用が最も「安い」ところを選びがちです。

しかし、物品の発注とは異なり、外国人雇用は「人と人との関わり」であり、彼らの人生と現場の労働環境を預かる業務です。

この業界において、「安ければいい」ということは絶対にあり得ません。スタッフの私生活に一切手をかけず、義務的な書類対応すら満足に行わない登録支援機関では、結果としてすべてのトラブル対応や私生活の指導が受け入れ企業様の「現場の職員」へと重くのしかかります。そして最悪のケースとして、悪質なブローカーが介在したことによる深刻なトラブルに見舞われるリスクが跳ね上がります。

安さだけではなく、「その登録支援機関がどこまで現場の負担を肩代わりしてくれるのか」「外国人スタッフを人間としてどれだけ真摯にサポートしているのか」をぜひ見極めていただきたいです。

そして私たちが真剣に伴走している姿勢を現地の送り出し機関や学校側もよく理解してくれているため、同じ募集案件であっても「ケアサクラの案件なら、日本で本当に介護福祉士を目指したいと思っている、学校で最も優秀なトップクラスの人材を厳選して優先的に紹介しよう」と、素晴らしい人材を送り出してくれる好循環が生まれているのです。

安価なサービスでその場しのぎの労働力を埋めるのではなく、優秀な外国人スタッフを受け入れ、彼らを自立したプロの介護人材へと共に育て上げていく。私たちはそのための最高のパートナーとして、これからも受け入れ企業様と外国人スタッフの皆様を全力で支え、双方がフェアで幸せになれる環境を作っていきたいと考えています。

新着記事

BEENOS HR Linkは
特定技能の雇用・管理にまつわる
あらゆる業務をサポートします。

特定技能について相談する
タイトルとURLをコピーしました