【2022年版】コロナ禍における特例措置【特定活動】の概要とこれからについて

在留資格

新型コロナウイルス感染症の影響で帰国困難となった外国籍の方向けに特別な措置が講じられました。現在は各国の往来が回復傾向にあるため、措置に関するルールが大幅に変更されています。そこで注目されたのが【特定活動】という在留資格です。この記事では在留資格【特定活動】に関する概要、コロナ禍で講じられた措置の内容、2022年5月に改正された点について解説します。なお、特定活動から特定技能への在留資格変更などは[Linkus(リンクス)]で対応が可能です。ぜひご相談ください。

在留資格【特定活動】とは

日本国籍を持たない方が日本で暮らすためには在留資格の取得が必須です。外交、芸術、経営・管理、技術・人文知識・国際業務、技能、特定技能、技能実習、などがそれに該当します。しかし、外国人が日本で行う活動の中には、既存の在留資格に当てはまらない内容もあります。そのような場合に設定されている在留資格が【特定活動】です。

【特定活動】という在留資格があることによって、政府は出入国管理及び難民認定法を改正することなく、日本に在留可能な活動の種類を増やすことができます。該当するものでわかりやすい活動の例は、インターンシップやワーキングホリデー、外交官等の家事使用人、アマチュアスポーツ選手などです。2019年5月より、それまで制限されていた外国籍の方が販売・接客業務への就労を認可される“46号告示”が施行され、【特定活動】が活用されている印象です。ただし、在留期間は3ヶ月〜5年で、法務大臣が個々に指定する5年を超えない期間とされています。

継続が困難となった特定技能外国人や技能実習生への対応

コロナ禍で各国の出入国が制限されていた時期、新型コロナウイルス感染症の影響で解雇された特定技能外国人や、実習が継続困難となった技能実習生に対して、特別な措置が取られていました。日本国内で仕事ができるよう出入国在留管理庁が関係省庁と連携し、特定産業分野での再就職の支援をする他、一定の要件下で在留資格【特定活動】を許可する措置です。詳しくはこちらの記事もご覧ください。

コロナ禍での「特定技能」「技能実習」に対する特別措置について
2020年1月、中国・武漢を中心に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症。あっという間に世界各国に広がったこのウイルスについて、情報を耳にしない日はありません。日本国内でもその影響は多大であり、経済活動への打撃は計り知れない状態です。各国が

特別措置として在留資格【特定活動】を新規取得・更新するには条件が必須

新型コロナウイルス感染症の影響により帰国が困難な外国籍の方は、帰国できるまでの間、【特定活動(6か月)】または【短期滞在(90日)】という在留資格が許可されていたものの、2022年5月に大きな改正がありました。以下の条件に当てはまる方は、それぞれ在留期間の更新が許可されます。(2022年9月時点)

※”今回限り”の許可を受ける方は確認書の提出が必要です。

対象者今後の対応
①在留期限が
6月29日までの方
・【特定活動(6か月)】で在留している方⇒【特定活動(4か月)】に更新可能
・【短期滞在(90日)】で在留している方 ⇒【短期滞在(90日)】に更新可能
注1)現在許可されている範囲において引き続き就労できます。
注2)次回更新時には特定活動(4か月)または短期滞在(90日)を"今回限り"として許可。
② 在留期限が
6月30日までの方
・【特定活動(6か月)】で在留している方⇒【特定活動(4か月)】(※今回限り)に更新可能
・【短期滞在(90日)】で在留している方⇒【短期滞在(90日)】(※今回限り)に更新可能
注1)現在許可されている範囲において引き続き就労できます。
注2)帰国困難を理由とする在留許可は"今回限り"となります。今回許可された期間内に帰国準備を進めてください。
注3)上記の許可に係る在留期間を満了した場合には、在留期間の更新は認められません。
③新たに帰国困難を
理由として
在留を希望する方
令和4年11月1日までに現に有する在留資格の在留期限が満了する場合に限り、上記②の"今回限り"の措置を認めます。
注)【特定活動(雇用維持支援)】については最大1年(※今回限り)を許可します。

参考:
新型コロナウイルス感染症に関する在留諸申請について 帰国困難者に対する在留諸申請の取扱い(出入国在留管理庁ホームページ)

◆特例措置終了の対象者

 対象者従前の取扱い新たな取扱い
1元技能実習生特定活動
(6月・帰国困難・
就労可)
特定活動
(4月・帰国困難・
就労可)
2元留学生特定活動
(6月・帰国困難・
週28時間以内の就労可)
特定活動
(4月・帰国困難・
週28時間以内の就労可)
3元中長期在留者特定活動
(6月・帰国困難・
就労不可)(※)
特定活動
(4月・帰国困難・
就労不可)(※)
4短期滞在者短期滞在
(90日・帰国困難・
就労不可)(※)
短期滞在
(90日・帰国困難・
就労不可)(※)
5雇用維持支援対象者特定活動
(最大1年・
雇用維持支援・
就労可)
特定活動
(最大1年・
雇用維持支援・就労可)
注)更新時は4月
6インターンシップ
(告示9号)
製造業外国従業員
(告示42号)
特定活動
(6月・帰国困難・
就労可)
特定活動
(4月・帰国困難・
就労可)
7元外国人家事支援人材特定活動
(6月・帰国困難・
就労不可)(※)
特定活動
(4月・帰国困難・
就労不可)(※)
8外国人建設就労者
(告示32号)
外国人造船就労者
(告示35号)
特定活動
(6月・帰国困難・
就労可)
特定活動
(4月・帰国困難・
就労可)
9サマージョブ
(告示12号)
特定活動
(3月・帰国困難・
就労可)
特定活動(3月・
帰国困難・就労可)
10EPA看護師・
介護福祉士候補者等
(告示16号、17号、
20号、21号、
27号、28号、告示外)
特定活動
(6月・帰国困難・
就労可)
特定活動
(4月・帰国困難・
就労可)
11ワーキングホリデー
(告示5号、5号の2)
特定活動
(6月・帰国困難・
就労可)
特定活動
(4月・帰国困難・
就労可)

※ 資格外活動許可を受けることで週28時間以内の就労可

【特定技能(1号)】への移行準備がまだ整っていない方

在留資格取得には数ヶ月を要するため、特定技能への資格切り替えにも数ヶ月かかります。技能実習から特定技能、留学生から特定技能へ切り替える方は、新型コロナウイルス感染症の影響にかかわらず、「特定技能」への移行の準備が整っていない方は引き続き【特定活動】が許可される対象となります。

◆要件の概要
申請人の在留期間の満了日までに「特定技能1号」への在留資格変更許可申請を行うことが困難である合理的な理由があること

・申請に係る受入れ機関において特定技能外国人として在留資格「特定技能1号」に該当する業務に従事するために同在留資格への在留資格変更許可申請を予定していること
・申請人が申請に係る受入れ機関との契約に基づいて在留資格「特定技能1号」で従事する予定の業務と同様の業務に従事すること
・申請人が特定技能外国人として就労する場合に支払われる予定の報酬と同額であり,かつ,日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を受けること
・申請人が特定技能外国人として業務に従事するために必要な技能試験及び日本語試験に合格していること ※技能実習2号良好修了者等として試験免除となる場合も含む。
・申請に係る受入れ機関又は支援委託予定先が申請人の在留中の日常生活等に係る支援を適切に行うことが見込まれること
・申請に係る受入れ機関が,申請人を適正に受け入れることが見込まれること

引用:「特定技能1号」に移行予定の方に関する特例措置について

参考:技能実習生の在留諸申請の新たな取扱いについて

必要な書類

【1】在留資格変更許可申請書(要 顔写真) 【Excel】 【記載例】
【2】受入れ機関が作成した説明書 【Word】
【3】雇用契約書及び雇用条件書等の写し
【4】特定技能外国人として業務に従事するために必要な技能試験及び日本語試験に合格していること、または技能実習2号良好修了者等の試験免除であることを証明する資料
※「特定技能1号」への在留資格変更申請において必要となるものと同様です。詳細については,こちらの「特定の分野に係る要領別冊」をご確認ください。

参考:「特定技能1号」に移行予定の方に関する特例措置について 出入国在留管理庁

まとめ

新型コロナウイルス感染症の影響で、自国へ帰りたくても帰ることができない、技能試験を受けたくてもタイミングが合わない、受け入れ先の企業が倒産や経営悪化してしまったなど、日本で働く海外人材の方に立ちはだかる困難は様々なものがあります。2022年12月からは、[Linkus(リンクス)]にて特定活動の申請書も生成が可能となります。これにより、特定技能への移行を予定している技能実習生から特定活動、および特定技能1号まで、[Linkus]だけで一元管理が可能になります。受け入れ企業のご担当者様も、登録支援機関のみなさんも、ぜひご活用ください。


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