[株式会社アケト]特定技能活用ウェビナー:入国前から学習ができ、コロナ禍で活用が可能な優秀な人材を育てる日本語教育方法

セミナー・説明会

外国人雇用をテクノロジーで支援するBEENOS HR Link株式会社(以下「BEENOS HR Link」)は、特定技能外国人雇用に関するウェビナーを3月3日(木)に開催。

この記事では、株式会社アケトでe-ラーニングプログラム[吉村作治式eにほんご]を展開する考古学者の吉村作治氏による、効果的な日本語教育方法に関して解説しています。なお、Linkus代表取締役・岡﨑氏による「特定技能外国人の採用、雇用、支援業務を効率化する方法」について、NTT西日本光ビジネス営業部第二営業担当部長 有吉晃一氏からは、「特定技能活用における通信環境整備の支援について」については、それぞれ別のページでご紹介しています。

◆ウェビナーのまとめ記事はこちら >>>

日本語教育に携わるようになった経緯

エジプト考古学が専門の私が、なぜ日本語教育に力を入れているのか疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。私は約55年前にエジプトに行きましたが、最初の5年間、日本大使館でアルバイトをしていました。後にカイロ大学に日本語学科ができるのですが、その前身である大使館の日本語学校を作ったんです。そこで校長をやらせていただきました。それまで日本語を教えたことはありませんでしたが、「どうすればエジプトの方に効果的に日本語を学んでもらえるか」という課題と向き合ったんです。

色々と試行錯誤しながら効果的な方法・ツールを導き出しまして、60年ほどの間に5,000人以上のエジプトの方に日本語を学んでいただきました。その経験を活かし、日本に帰国してからも日本語教育に力を入れてまいりました。語学教育は一度にたくさんのことを教えても、身につかなければ意味がありません。エジプトで導き出した学習方法をさらにブラッシュアップするために、早稲田大学で始まったe-ラーニング教育に携わりながら、試行錯誤を繰り返しました。早稲田大学を退任後はe-ラーニングだけの大学を作りまして、その初代学長に就任しました。その後は、e-ラーニングだけで日本語教育を始めて今に至ります。

在留資格【特定技能】は日本語能力試験 N4以上の合格が求められます。日本語を学ぶプロセスとして、完全な初心者は「あいうえお」もわかりません。そういった方がまず目指すレベルがN5であり、数字が小さくなるごとに難しくなります。N1は日本人でも間違えるほど難しいレベルです。我々の提供するe-ラーニング日本語教育は、どのレベルからでも始められます。

日本語能力試験を構成する3つの要素について

一つ目は、文字、語彙、文法が含まれる【言語知識】です。日本語の文字はひらがな、カタカナ、漢字で構成されており、文字数が多いため覚えるのが大変です。漢字を使う国の方にとっては問題ありませんが、そうでない方にとっては漢字はとても難しいようです。現在、東日本国際大学でも日本語教育を行なっていますが、漢字のない国からいらした方はN5レベルでも苦労しています。文法は日本人でもよくわからないまま話している方も多いことでしょう。

二つ目は【読解】です。日本語には独特の表現があるので、慣れないと難しいですが、我々のe-ラーニングではそれも理解していただけるようにしています。

三つ目は【聴解】です。“聴く力”は文字ばかり見ているとなかなか身につきません。日本語には同じひらがなの表記でも、意味が違う言葉がたくさんあります。海外の方にとってはそれも難しい点のひとつです。私の開発した学習方法は動画がメインですので、“音”に対する学習を効果的に進めていただけることでしょう。

コンテンツの構成と見やすい画面について

我々の学習プログラムでは、レベル別に60分×40回の講義を用意しており、毎回、小テストを実施しています。e-ラーニングは何度も学習できるため、“繰り返し”が重要と言われる言語学習との相性が良いです。日本語を学ぶ人の頭を悩ませる助詞(「で、が、を、は」など)も、この反復によって身につけていくことができます。講師もかなりわかりやすく説明をしてくれるので、疑問を解決しながら理解を深めることができるでしょう。

ちなみに、インドネシアの第二外国語は日本語ですが、来日経験のない講師が教えているケースも多く見られます。そこで学ぶ生徒が我々にとってナチュラルでない日本語を身につけてた結果、実際に来日した際に混乱してしまうことも少なくないようです。来日前に日本語を学び、知識を身につけたとしても、実際のコミュニケーションスキルが身に付いていない可能性もあり得ます。我々の学習プログラムでは、初期の段階から実生活で使える日本語を身につけてもらえるよう構成されています。

いつでも、どこでも、何度でも学習ができる

e-ラーニングの素晴らしい点は、PC、スマホ、タブレットを使って、いつでもどこでも何度でも学習ができることです。ライブ授業と違って無駄な世間話・脱線等もなく、しっかりと作り込まれています。語学教育の重要な要素は“繰り返すこと”ですから、無駄のない授業で効率よく理解を深め、反復によって日本語をしっかりと身につけていただけることでしょう。

また、私のプログラムには【学習管理システム】が備わっています。

e-ラーニング自体のメソッドは優れているものの、使わなければ意味がありません。小テストで学習の進捗や理解度を確認すれば、きちんと使っているかどうかすぐにわかります。そこで【学習管理システム】によって本人の学習意欲向上を促すとともに、導入した企業等で学習進捗を管理する人の進捗管理を行うために機能としてご用意しています。

特定技能を志す方は来日前に母国で使ってもいいですし、来日後に日本語力向上のために使っていただいてもいいかと思います。私がフィリピン、インドネシア、中国を訪れた際、実際に現地の方に使っていただきましたが、皆さんとても楽しそうに学習に取り組んでくださいました。

カイロで日本語学校を運営していた当時、特に意識していたことは「日本語はあくまでツールだ」ということです。その国で暮らすためには、文化や歴史を通して言語を深く理解することも重要ですので、日本の文化について学べるようにe-ラーニングの学習プログラムの中に内容を含めています。日本語を話せるようになるのと同時に、実際に日本の文化や歴史も知識を得ることができますよ。

株式会社アケト
考古学者 吉村作治 氏

古代エジプト考古学の発掘調査・研究で知られる大学教授である一方、エジプトの文化、歴史や世界各国の遺跡、文明の紹介など幅広い領域で活躍している。1966年アジア初の早大エジプト調査隊として現地に赴いて以来、発掘調査を行い、数々の発見により国際的評価を得ている。また、現在はeラーニングを活用した日本語教育の普及にも従事。株式会社アケトは、考古学者の吉村作治氏が早稲田大学でのe-ラーニング教育や、サイバー大学の初代学長を務められた経験を活かし、簿記や宅建などの資格取得サービス、また、外国人のためのe-ラーニングコンテンツを展開。

まとめ

海外人材に長く同じ職場で働いてもらうためには、職場環境の整備はとても重要です。同時に、できるだけ円滑なコミュニケーションを行うことで、「仕事が楽しい」「やりがいを感じる」と思ってもらえるのではないでしょうか。会話がスムーズになればなるほど、誤解やコミュニケーションミスも減っていくと考えられます。

また、業務以外のプライベートな時間も、日本語を不自由なく使えた方が日本での暮らしが楽しくなるでしょう。効果的な日本語教育プログラムの導入は、働く海外人材にとっても、雇用する側にとってもメリットがあります。この機会にぜひご検討ください。

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