[NTT西日本]特定技能活用ウェビナー:特定技能活用における通信環境整備の支援について

セミナー・説明会

この記事では、NTT西日本光ビジネス営業部第二営業担当部長 有吉晃一氏から、「特定技能活用における通信環境整備の支援について」について解説しています。なお、[Linkus]代表取締役・岡﨑氏による「特定技能外国人の採用、雇用、支援業務を効率化する方法」について、株式会社アケトでe-ラーニングプログラム[吉村作治式eにほんご]を展開する考古学者の吉村作治先生による日本語教育については、それぞれ別のページでご紹介しています。

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はじめに

私からは、通信環境整備の必要性と、推奨する通信ツールについて説明させていただきます。私の所属している光ビジネス営業部の主な業務は「コンシューマー市場における営業戦略の策定・実行」です。具体的には日本にある各コミュニティ(eスポーツ、特定技能外国人等)が抱える課題をICT技術を活用して解決していくことに注力しております。本ウェビナーでは特定技能外国人の方が日本国内での快適な生活について、ICT技術を通じて実現できるのではないかということでお話をさせていただくこととなりました。

特定技能外国人の方の通信ツール契約や支援義務について

特定技能外国人の受け入れに際して、支援は義務として定められています。10項目ある支援の中に「住居確保や生活に必要な契約の支援」とあり、生活に必要な契約=ライフラインの契約の支援が求められています。その中でも特に、携帯電話を含めた通信環境の整備・支援は、特定技能外国人の方にとって非常に重要な支援だと考えております。

特定技能外国人の方の実際のお悩みについて

特定技能外国人の方の具体的な困りごととして挙げられるのは「契約前の日本語によるサービスの説明が理解できない」「モバイル・固定通信のプランがたくさんあって迷う」「契約はしたが想定よりも支払い金額が高い」「通信の制限がかかってしまって快適に使えない」などです。なぜこのようなお悩みが生じてしまうかは、次にご説明する「特定技能外国人の方の母国と日本との通信状況の違い」が大きく影響しています。

特定技能外国人の方の母国と日本との通信状況の違い

特定技能外国人の方の母国と日本との通信状況の違いについて、二つの側面からご説明いたします。第一の側面は「各国のインターネットの平均利用時間と、ネット環境が必要な各ツールの利用率」です。特定技能外国人の主な出身国のインターネット利用時間は、日本と比べてかなり長時間です。ビデオ通話をはじめとする通信容量が大きなツールを日本よりも多く利用する習慣・傾向があります。ここで重要になってきますのが、各ツールに必要な通信容量です。動画の視聴や動画によるコミュニケーションには多くの通信量が必要です。

通信容量がどれほど必要かを想定しないまま、料金のみでプランを決めてしまうと、通信容量の小さなプランを契約してしまう恐れがあります。例えば「月3GBまでの契約をしてしまい、1日で制限がかかってしまった」「50GBで十分だと思っていたが、1ヶ月たたないうちに制限がかかってしまった」というように、母国で当たり前にできていたことが日本でできなくなってしまったというお声は少なくありません。

第二の側面は「各国と日本の通信環境の違い」です。日本の固定ブロードバンドの普及率は各国に比べて圧倒的に高い傾向にあります。対して携帯電話1GBあたりの平均料金は、日本は各国に比べて高い傾向にあります。日本では固定ブロードバンド回線がほとんど全てのエリアを網羅していますが、特定技能外国人の主な出身国では「ブロードバンドを個人宅に引き込む」という整備が進む前に、モバイルの方が発展しました。ですので、フリーWi-Fiや格安SIMの整備が日本よりも進んでいます。

携帯電話単体の通信容量が大きい環境で暮らしてきた特定技能外国人の方にとっては、日本の通信環境について知らずに契約を進めると、「使いたいように使えない」という状況が生じてしまうようです。このような事実を踏まえ、特定技能外国人の方の出身国の通信環境について理解しながら日本での通信環境を整備していくことが重要だと考えております。

特定技能外国人の方にとって理想的な通信環境やその整え方

では、そういった通信文化を持つ特定技能外国人に契約を支援するべき通信ツールとは何なのでしょうか。SIM、ポケットWi-Fi、据え置きルーターは特定技能外国人の方から現在でもよく選ばれる通信ツールです。しかし、特定技能外国人の出身国の文化やライフスタイルを日本でストレスなく実現しようとすると、携帯電話の契約に加えて、通信容量の制限(ギガ制限)なく使い放題の光回線のご契約も必要ではないかと考えております。

特定技能外国人の方が光回線の契約によって得られるメリットは色々ありますが、例えば、インターネット上で行えるeラーニングで繰り返し何度でも学習でき、日本語力が向上することでコミュニケーションが円滑となり、業務の生産性が向上、ご本人のストレスも減らせるという事があります。また、母国のご家族との動画によるコミュニケーションをギガ制限なく行えるようになることで、仕事へのモチベーションを保つことにもつながります。インターネット上でご自身の趣味や息抜きを行うことでストレス発散もしていただけます。

ここで、通信環境に関するトラブルについて、登録支援機関の方から伺った一例をお伝えします。

「解約しなければならないことを知らない特定技能外国人の方が帰国してしまったため、違約金の請求が企業に届いてしまった」「ギガ制限がかかってしまったため、フリーWi-Fiを求めて徘徊してしまい近所から苦情が入った」「内容を理解しないまま大量のSIMを契約してしまい、本人で支払いができなくなり企業が負担する事になった」などです。このように雇用する側の企業を巻き込むトラブルも多発していることから、特定技能外国人の方が日本で快適に生活するために、通信環境の整備が大変重要であるとお分かりいただけたかと思います。

光回線の円滑な契約と導入にあたって必要となる支援

特定技能外国人の方を受け入れる企業にとって、光回線の契約についてどのような支援が必要なのかについて説明させていただきます。ここで重要な点としてあげられるのは、サービススペック、最低利用期間の有無、支払い方法です。これらはサービスやプランによって異なりますので、実際に使用する特定技能外国人の方のライフスタイルに合うものを選定していくことが必要です。選定後は契約の名義をどなたにするのか、工事日の調整や誰が立ち会うのかを把握していただくことも必要です。こういった支援を全て行うと企業にとっても負担となるかと思います。弊社では、各言語での対応や、複数の支払い方法をご用意している事業者様のご紹介が可能です。

円滑なお申し込みができれば、受け入れ先の企業にとっても安定した特定技能外国人の方の雇用・受け入れ、サポート業務の負担削減も実現できるのではないでしょうか。

我々は特定技能外国人の方の通信環境整備をさせていただくことで、受け入れる企業様やそのご担当者、登録支援機関の方のお役に立てればと考えております。さらに、特定技能外国人の安定的な受け入れによって、人材不足の解消や、社会課題の解決にもつなげていきたいと考えております。

NTT西日本光ビジネス営業部
第二営業担当部長 有吉晃一 氏

約25年前にNTTに入社後、現在はNTT西日本の光ビジネス営業部に所属。光ビジネス営業部の主な業務は「コンシューマー市場における営業戦略の策定・実行」。具体的には日本にある各コミュニティ(eスポーツ、特定技能外国人等)が抱える課題をICT技術を活用して解決していくことに注力。

まとめ

国や地域が違えば、暮らし方や文化、考え方も大きく異なっていることが考えられます。特定技能外国人の方がそれぞれの母国で通信容量を気にすることなく、動画コンテンツやビデオ通話をしていたのならば、日本でも当然それができるものだと疑わないかもしれません。一方で、日本は携帯電話1GBあたりの平均料金が各国と比較して高く、フリーWi-Fiなどのモバイルインフラが整っていない地域もあります。それを知らずに通信に関する契約をしてしまうと、想定外の料金がかかってしまったり、すぐに通信制限がかかってしまうのです。通信環境が滞ることは、特定技能外国人本人だけでなく、母国に残る家族にも大きく影響を与える可能性があります。そのようなことがないよう、大切なライフラインのひとつである通信環境はしっかりと整備をしていくことをおすすめします。

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