外国人社員も日本人社員と同じ会社の一員として平等にサポートを

インタビュー

~支援を内製化して外国人材に向き合う株式会社フロンティアの人材マネジメント〜

介護分野において人材不足の解消の手段として外国人材に注目が集まっており、特定技能雇用の数は毎年拡大しています。特定技能制度の導入によって、初めて外国籍人材と共に働く多くの受け入れ企業が手続き等の管理や支援を登録支援機関に委託しています。その一方で自社で働く社員の支援は、国籍に関係なく一元化し自社で行いたい、様々な背景から支援業務を内製化する企業も徐々に増えてきています。

今回は2023年より特定技能雇用を行い、2024年5月からは登録支援機関としても活動している株式会社フロンティアの土居さんと戎谷さんとインドネシア人のアフラさんに特定技能人材の雇用管理、キャリア形成や定着のために行っている支援などを伺いました。

登録支援機関としても活動を開始し、グループ会社全体の外国人材を日本人と同様に自社で支援へ

ーー まずは御社の事業内容について教えてください。
「株式会社フロンティア」は全国で調剤薬局を展開する薬剤事業、車いすや介護用ベッドなどの福祉用具レンタル・販売を行う福祉事業、北海道・京都・群馬で介護事業を展開するヒューマンケア事業の3つの事業を行っています。

ーー 最初に特定技能外国人を受け入れ始めた経緯について教えてください。
「株式会社フロンティア」では介護事業を展開していますが、そこでの課題は安定した人員の確保でした。現場では慢性的な人員不足が問題となっている状況で、求人を出して人員確保に努めていました。新卒採用についても2023年から開始しましたが、十分な人員確保に繋がりませんでした。そんな中で介護分野で働きたいという外国の方にも目を向けるべきと考え、視野を広げて採用を始めました。当初は外部の登録支援機関に支援を委託していましたが、2024年5月からは自社で登録支援機関として活動を開始しました。自社の支援だけではなく、グループ会社で雇用している特定技能外国人の支援業務の内製化に取り組み、支援体制を強化しています。

ーー 特定技能外国人の受け入れ当初は外部の登録支援機関に支援業務を委託され、2024年5月から登録支援機関としてグループ会社全体での内製化を始められたそうですが、登録支援機関として活動を開始した経緯を教えてください。
「株式会社フロンティア」では2023年5月に特定技能外国人の受け入れを開始しています。
外国人材の受け入れは初めてのことだったこともあり、知識がない状態でいきなり自社での支援を行うことは難しい状況でした。そのため、当初は登録支援機関に支援業務を委託していました。ですが、外国人材も直接雇用の社員でありサポートをアウトソーシングするのではなく日本人社員と同様に自社でサポートしたいと考えていました。

元々登録支援機関を目指していたというわけではありませんでしたが、自社の社員に対して、自社でサポートをできていないことを課題に感じており、登録支援機関として登録を行い、支援を内製化していくことになりました。

外国人材の支援についてアウトソーシングしていた際には、現場の課題を直接把握しづらい事に課題を感じていました。自社支援の場合は実際に現場で何が起きているかの把握がしやすく、社員の悩みに寄り添って、より適切な支援を素早く実施できる点がメリットだと感じています。登録支援機関として活動を開始したのは2024年5月からですが、現在は都度発生する事柄に対してどう対処していくかのナレッジを積み上げている最中です。

ーー BEENOS HR Linkを知ったきっかけについて教えてください。
特定技能雇用の支援ツールについて検索していた際に、Linkusを見つけたことがきっかけです。その時には2,3社にツール導入を検討していましたが、メールフォームからツールについて質問をしたところ、すぐに連絡がきてWEBでの面談がきまり、導入に至っています。 

ーー 自社での支援の実現に際してはBEENOS HR Linkが提供する「内製化サポート(特定技能アドバイザー by Linkus)」を活用いただいていますが、利用を決めた理由を教えてください。
BEENOS HR Linkが登録支援機関として実際に活動していることは重要な要素でした。ただアドバイザリー業務をしているだけではなく、実務をされているからこその知見に信頼を感じています。様々なことについて具体的な情報を知ることが出来たのは良かったです。現在、自社での支援については私を含む3名で実施しているのですが、支援業務内での疑問点に対しタイムリーにご返答いただいて助かりました。

ーー 利用によって、課題や問題点は解決されましたか。
自社支援の開始と同時に利用を開始しているので以前からの課題というわけではないのですが、申請時の必要書類の種類や項目の記載など細かく確認させてもらうことが出来るので不慣れなうちは助けられていました。 

ーー Linkusについて導入してよかった点について教えてください。
雇用手続きや管理の基本として、まずどういった情報を揃えないといけないのかを把握することからのスタートだったので、Linkusに登録することでその点が把握できたことや、一人一人のデータをまとめて確認することができるようになった点が良かったと思っています。申請時に必要な書類もLinkusですぐに確認することができる点も使いやすいと感じています。

キャリアサポートや異文化理解を進め外国人材を支援

ーー 雇用をしている特定技能外国人の皆様についてお伺いしたいのですが、特定技能外国人の方に対して描いているキャリアプランなどがあれば教えてください。
「介護福祉士の資格を取って長く働きたい」など、やる気を持っている特定技能外国人の方に対しては、元々行っている支援の日本語学習とは別に、介護福祉士の試験に向けた対策の提供などを実施していきたいと考えています。また、将来的には特定技能雇用の滞在上限年数である5年で帰国しなくてはいけない人に対しても、現地で働く際のサポートができるような取り組みをしていければと思っています。

ーー 定着サポートについて教育面や生活面など、どのような支援を行っていますか。
言語面に関しては日本語学習のための勉強会を月2回実施して勉強の時間を設けています。生活面でのサポートについてはタイムリーな連絡手段として連絡チャットを通じて随時対応させていただいています。

ーー 特定技能外国人の受け入れのために、在職している日本人の方向けに行っている取り組み等があれば教えてください。
「株式会社フロンティア」では雇用している特定技能外国人はインドネシアの方が多いのですが、文化の違いやインドネシア人の価値観や傾向などについてスライド資料を用いて説明会を行っています。この説明会については継続して定期的に実施したいと考えています。日本人社員は日本人基準の感覚にどうしてもなってしまう部分があるので、継続的に外国人材に対しての理解を深めていきたいです。

ーー その他、特定技能外国人の雇用に対して意識していることやサポートしていることがあれば教えてください。
各事業所によるのですが、業務以外の場面では社員同士での会食の場を設けたり、自動車が必要な距離の遠方のスーパーなどに行く際には声をかけて一緒に出かけるなど細かな交流があります。 

ーー 最後にこれから特定技能外国人の雇用を検討されている企業の方にアドバイスやメッセージをお願いします。
特定技能外国人の雇用においては現場で働く日本人の特定技能外国人への理解は非常に重要だと感じています。特定技能外国人に対する配慮は日本人と差異無く働くためのものですが、特別な待遇だと感じる人もいます。特定技能外国人を受け入れる前の準備として外国人材の出身国の文化などに対する理解を深めることが職場での人間関係を良好にする鍵だと思います。 

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