【介護業種向けウェビナー】BEENOS HR Link株式会社岡﨑氏:海外人材雇用におけるIT化の必要性〜特定技能人材を採用する点での課題〜

セミナー・説明会

外国人雇用をテクノロジーで支援する[Linkus]を運営する、BEENOS HR Link株式会社は、特定技能外国人雇用に関するウェビナーを3月18日(金)に開催。この記事では、BEENOS HR Link株式会社 代表取締役・岡﨑氏による「海外人材雇用におけるIT化の必要性」について解説しています。

なお、[公益社団法人国際厚生事業団 JICWELS]外国人介護人材支援部 井口 智恵 氏による「外国人介護職員を雇用できる制度〜EPA及び特定技能における実態〜」については別のページでご紹介しています。

【介護業種向けウェビナー】公益社団法人国際厚生事業団 JICWELS 井口氏:外国人介護職員を雇用できる制度〜EPA及び特定技能における実態〜
外国人雇用をテクノロジーで支援する[Linkus]を運営する、BEENOS HR Link株式会社は、特定技能外国人雇用に関するウェビナーを3月18日(金)に開催。この記事では[公益社団法人国際厚生事業団 JICWELS]外国人介護人材支援

はじめに

私からは「海外人材雇用におけるIT化の必要性」についてお話させていただきます。私は「よい人材に定着してもらうためにIT化をする必要があるのではないか」と考えております。

この“よい人材”には様々な考え方があるかと思います。特定技能外国人のよい人材に定着してもらうということはもちろん、その支援をする既存の日本人従業員の方々にも定着し続けてもらうためにも、IT化の必要性があると捉えており、本日は大きく5つのパートに分けてお話を進めさせていただきます。

01:特定技能での採用・雇用、その流れと作業

特定技能外国人材を採用・雇用するにあたって、任意的支援・義務的支援というものがありますが、それ以外にも必要とされる支援・作業は多くございます。

採用活動から始まり、採用・内定通知、その後のガイダンス、本人とのやりとり、入国管理局とのやりとり、各種申請など様々な作業が発生します。また、義務的支援の中に「住居の手配」というものがありますが、住居を手配しただけで外国籍の方がすぐに住めるわけではなく、家具家電の手配、引越しや移動、ガスや電気の手配なども必要です。加えて、登録支援機関や送り出し機関とのやりとりなど、各関係者との連携・連絡も作業に含まれます。表面的に見えている“作業”と、見えにくいけれど細かく時間や手間のかかる“作業”があるのです。私たち[Linkus]は、こういったものをITを活用してサポートしていく仕組みづくりを構築しています。

忘れてはいけないこと、やらなければいけないことは義務的支援です。例えば、管理していくうえで必要な情報収集・管理や書類作成は、義務的支援に含まれるでしょう。在留資格の期限切れ等が起きてしまったら海外人材は働き続けられませんし、受け入れ側の法人にもペナルティが発生します。在留中に海外人材のパスポートの期限が切れるケースも考えられますので、様々な更新・手続きを海外人材に寄り添ってサポートしていく必要があります。

しかも、「この人の在留資格が切れる時期は3月だけど、あの人のパスポート期限は4月」というように、申請・更新の時期は海外人材個人によって異なります。それらをすべて人が把握・管理していくことは大変です。これらをこなしながら、海外人材個人の相談に乗ることも求められるでしょう。

02:特定技能外国人を雇用する企業・施設の方の声

任意的支援を実践されているご担当者の方々とお話をさせていただくと「もっといい環境にしてあげたい」「これをすれば働く外国籍の方のためになるのに」というお声をよく聞きます。しかし、実際は目の前の細かい膨大な作業に工数を割かれ、任意的支援にまで手が回らないという実情もあるようです。「やってあげたいのにできない」という状況は、支援のご担当者にとっても悩みの種なのです。

目に見える業務・支援も大変ですが、「誰(海外人材)に、何を、いつやらなければならないのか」という期日管理や、業務の取りこぼしがないよう覚えておかなければならない事項で頭や手がいっぱいになってしまっているという状況も、ITを活用することで解消していけると考えております。

次に、こう言ったお声やお悩みが実際に存在しながら、IT化・DXが進まない要因についてです。

「IT化をまだ考えていない」とおっしゃる企業様のご意見としてよく聞かれるのは、「雇用や支援をする人数が増えてからIT化を考える」というものですが、私の考えを先に申し上げると「少人数から始めることが成功のポイント」です。

IT化を先送りにする主な要因としては「IT化にはお金がかかるのでは」「手作業の方がなんとなく安心」「効率化は後からでもできるのでは」というものが挙げられるかと思いますが、その中でも最も多いのは「ITってよくわからない」というご意見かもしれません。

IT化によって少なからずお金はかかりますが、IT化をせずに辛い作業をアナログで続けることで支援するご担当者が離職するケースも考えられます。その対策として人員を増やすと人件費がかかりますが、IT化した方がコストを抑えられるかもしれません。手作業はなんとなく安心できるかもしれませんが、ITツールに慣れてしまえば使うのはとても簡単です。そもそも、ツールは多くの方にとって使いやすく作られています。ITの活用によって、想定されるリスクを減らしていければ幸いでございます。

業務が増えて手が回らなくなってから導入すると、大量の情報をアナログからシステム化すること、切り替えることに労力がかかります。その点からも、早い段階での導入が成功の近道だと考えております。弊社だけでなく他社のサービスも比較検討していただき、使いやすそうなもの、予算に合うものをお選びいただければと思います。

特定技能外国人の方、支援するご担当者の方、両側面の”いい人材”に定着してもらうためにも、現場のご担当者の負担軽減をしていくことが、海外人材定着のためにも優先すべき事項なのではないかと考えております。

03:雇用/支援のITツール活用

ここで、我々の運営する[Linkus]のご説明をさせていただきます。

[Linkus]は特定技能外国人採用・雇用・支援に関して、情報の一元管理ができるプラットフォームサービスです。求職者、受け入れ企業、登録支援機関など関係者ごとにアカウントを作成いただき、それらをSNSの友人申請のように連携させることで、関係者同士で情報のやり取りをすることができます。求職者の情報の修正・編集、現在は資格申請中なのか申請済みなのかといった個人のステイタス管理なども可能です。在留資格申請、定期巡回の報告書作成などに関して、「[Linkus]導入後、以前よりも8割以上も時間短縮ができた」というお声もいただいております。これから特定技能の採用・雇用を開始される企業様、すでに特定技能制度を活用して海外人材を受け入れている企業様にも、導入をご検討いただきたいと思います。

こちらは[Linkus]の実際の画面です。

[Linkus]にご登録いただくと、申請書類の作成、添付書類のデータの受け渡しができます。支援業務のToDoチェック項目が誰でもひと目でわかりますし、定期報告書の作成は現場で面談しながらスマホやタブレットでチェックしただけで完了します。さらに、チャット機能を活用したり、求職者さんを探してマッチングすることもできます。また、在留資格の期限をお知らせするアラート等、新しい機能も続々と追加されております。

我々は単なる情報管理ツールではなく、プラットフォームであることにこだわっています。[Linkus]は日本で働く外国籍の方が「日本で働いて生活していくうえで必要となるもの」をどんどんと追加しているのです。その理由は、外国籍の方が「日本に来てよかった」と思える環境作りをするためです。

04:求職者の動向から見える雇用・支援の課題

弊社のサービス[Linkus]に求職者として登録していただいている方にアンケートを行いました。ここからは、その結果を元にお話をさせていただきます。

これは[Linkus]上にいらっしゃる方の割合ですので、特定技能全体のものではありませんが、男女比は男性が60%超えで、日本語レベルはN3が最も多いです。(未取得は技能実習からの方など)国籍はベトナムが7割を超えております。現在保持している資格として最も多かったのは[技能実習]でした。続いて特定技能、留学、特定活動です。

今の仕事内容が左上で、介護は全体の3%とやや少ない印象です。ただし、右側にある“興味のある仕事内容”は介護は上から4番目で全体の7.6%で、介護職に興味を持ち、実際に介護業界で働きたいと考えている方がいらっしゃいます。他の業種で技能実習生だった方が、特定技能に切り替えるタイミングで「もっと日本語を使いたい・話したい」と介護に切り替える方が増えてきているのではないでしょうか。

希望給与は左下にあり、技能実習を経験されている方はお給料の高いところを目指すのではないかと思われがちですが、弊社で実際にアンケートを行った結果、「お給料にこだわらない」という方が28%いらっしゃいました。それと関連して、「お給料よりも、住む場所や働く場所にこだわりたい」「今関東で働いているから地方に行きたくないのでお給料が上がらなくても関東で働き続けたい」という意見もありました。

使用しているSNSツールはfacebookが多く、次いで[Linkus]やTik Tokが挙がりました。SNSを活用して仕事探しをしているケースも増えてきているようです。

職場でのコミュニケーションについて、「仕事のみの会話をする」が46%、「仕事でもプライベートでも話しません」が14%となっていることから、プライベートの会話をできる方が少ない状況の方が多いのかもしれない、という印象を受けました。「話す環境がない」または「話す必要のない仕事をしている」という可能性が考えられるでしょう。海外人材に定着してもらうためには、より円滑なコミュニケーションを取れる環境づくりを支援する側が意識していく必要がありそうです。

住居のこだわりについては地域よりも家賃を気にされる方が多いようです。技能実習時代はひと部屋に2〜3人で生活していたけれど、特定技能に切り替えるのであれば「ひとり部屋が欲しい」と思われるようです。

病気になったときに困ることは「医者への説明がわからない」「受診の方法がわからない」という意見が多いです。日本国籍で日本で病院にかかるときでさえ、体力と気分が落ちているときは病院で診てもらうことが大変なこともあるかと思います。海外人材に対して義務的支援にも一部入りますが、より踏み込んだ支援をする必要がありそうです。

日本にいて大変に思うことは「引っ越しの手続き」「電気・ガス・水道の手続き」「銀行の手続き」「携帯電話の契約」「住民票の取得」「地方自治体とのやりとり」が挙がりました。日本人でもこれらは大変ですが、外国籍の方にとって日本で行うあらゆる手続きがいかに大変かお分かりいただけるのではないでしょうか。

05:BEENOS HR Linkとしてのサポート

最後にBEENOS HR Linkとしてのサポートについてですが、我々はDX・IT化による内製化のお手伝いをさせていただいています。

「支援内容自体もわからない」という企業様に対しては、登録支援機関として歩み寄りながら、支援業務内製化に向けてサポートさせていただいています。海外人材採用・雇用に関してあらゆる業務のお手伝いをさせていただいております、ちょっとしたご質問等でも構いません。何かございましたらぜひご相談ください。

BEENOS HR Link株式会社
代表取締役社長 岡﨑 陽介 氏

BEENOS HR Linkの代表取締役として、事業構築からサービス企画・営業などを統括。前職までは芸能事務所で プロモーション企画やメディア開発を行う。2015年BEENOSのグループ会社であるモノセンスに入社、コラボ商品企画やモノセンス内新規事業を担当。BeeCruiseに転籍し、Linkusを立ち上げ、2020年7 月にサービス提供を開始。2020年12月 にBEENOS HR Link株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。

まとめ

“IT化”という言葉は難しい印象を受けられる方もいらっしゃるかもしれません。けれど、日常生活でLINEを使ったり、facebookのメッセンジャーを使ったりするかと思います。仕事上のコミュニケーションをこれらのツールで行っていることも、十分にIT化していると捉えております。IT化DXとは決して難しいシステムの話ではなく、私たちの生活にも馴染んでおり、知らない間にみなさん活用しているのです。「今の環境・状況で何が始められるのか」という視点から、[Linkus]に興味を持っていただけたら幸いです。

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