【2025年度版】インバウンドで勝ち抜く!特定技能[宿泊]外国人材雇用のポイント

特定技能

インバウンドが盛り上がる中でさらに注目が高まっている特定技能[宿泊]。日本国内のホテルや旅館、その他宿泊施設の人材不足を解消するために設けられた在留資格で、この制度設立によって以前よりも外国人材を雇用しやすくなりました。

しかし、宿泊業界での特定技能の採用はまだまだ進みが鈍く、様々な疑問をお持ちの宿泊施設ご担当者さんも多いことでしょう。そこで、この記事ではどのような業務を海外人材に任せることができるのか、さらに海外人材を雇用するために必要な準備や注意点について解説します。なお、特定技能外国人採用に関する疑問点はなんでもLinkus特定技能アドバイザーにお尋ねください。

在留資格「特定技能」とは

特定技能とは外国人が日本に滞在・就労するための在留資格のひとつで、日本で深刻化する人材不足の課題を解決するために創設されました。特定技能を取得した外国人材は各業種で現場労働が認められています。

「国内人材の確保が難局化している16業種について、一定の専門技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていく」というのが特定技能創設の趣旨です。

特定技能[宿泊]は1号と2号の2種類あり、特定技能1号を取得するには、後述する『技能水準』と『日本語能力水準』をクリアする必要があります。在留期間は最大5年までとなっており、1年,6か月又は4か月ごとにそれぞれ更新が必要です。受け入れる企業や登録支援機関などのサポートを受けられるものの、家族の帯同は基本的に認められません。一方、特定技能2号外国人は3年間、1年間、6カ月間のいずれかの在留期間が付与され、更新の上限がなく家族の帯同が認められています。

特定技能に関して詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。

【2023年6月更新】特定技能とは?取得条件や対象職種を解説
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技能実習との違いはこちらの記事をご覧ください。

「技能実習」と「特定技能」の特徴とそれぞれのメリットについて
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外国人材に任せられる業務内容

特定技能に関して、観光庁の発表では「宿泊施設におけるフロント、企画・広報、接客及びレストランサービス等の宿泊サービスの提供に係る業務に従事する外国人材の受入れが可能。」とされています。

・フロント業務:
チェックイン/アウト、周辺の観光地情報の案内、ホテル発着ツアーの手配 等

・企画・広報業務:
キャンペーン・特別プランの立案、館内案内チラシの作成、HP、SNS等による情報発信 等

・接客業務:
館内案内、宿泊客からの問い合わせ対応 等

・レストランサービス業務:
注文への応対やサービス(配膳・片付け)、料理の下ごしらえ・盛りつけ等の業務 等

参考:特定技能1号の各分野の仕事内容

2019年の特定技能制度施行以前は、宿泊業で海外人材を雇用するには「技能・人文知識・国際業務」で通訳などの従事が一般的でしたが、特定技能制度によってより多くの業務に従事できるようになりました。ただし、特定技能外国人がすべての業務に携われるわけではありません。国土交通省の発表した資料ではこのように記載されています。

「当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務(例:館内販売,館内備品の点検・交換等)に付随的に従事することは差し支えない」

引用:「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-宿泊分野の基準について-」の一部改正について(令和元年11月29日)

同様の業務に就く日本人スタッフが従事する内容であれば、関連業務を行うことが可能となりました。ハウスキーピング、ドアマン、宴会用スタッフ、施設内での販売業務、施設内の備品点検や交換、清掃など、幅広い業務などがそれに該当します。特定技能外国人を雇用することで、人材不足を補えるだけでなく、多言語での接客が可能となるメリットも見逃せないポイントです。

ここで注意しなければならないのは、「付随的に従事することは差し支えない」と言及されていることです。特定の業務のみを担当させることはできません。特定技能[宿泊]で雇用した外国人材に客室清掃を担当してもらうことは可能ですが、それのみではなく他の業務にも携わってもらう体制が必要です。

ちなみに特定技能外国人に対して、風営法に関する接待業務をさせることは禁止されています。ホテル内のクラブやスナックなどで接客をすることがこれに該当します。適切でない業務に外国人材を従事させると、在留資格の取り消し・罰則の対象になる可能性があります。十分に注意してください。

宿泊業分野の特定技能1号の取得要件

特定技能[宿泊]において受け入れられる外国人材は以下の2つの試験に合格した者、もしくは宿泊分野の技能実習2号を修了した者とされています。

技能試験と日本語の試験を受けるケース

・日本語の能力に関する試験に合格していること:
日本語に関する試験に合格することは、業務に関わる日本語能力水準を満たしていることが証明されます。具体的には『日本語能力試験(N4以上)』または『国際交流基金日本語基礎テスト』に合格していることが求められます。

・宿泊業技能測定試験に合格していること:
宿泊業で必要となる知識や技能を身につけているか、を証明するために宿泊業技能測定試験に合格していることも求められます。この試験は業務に直結した内容が出題されます。具体的には、フロント業務、企画・広報業務、接客業務、レストランサービス業務、安全衛生その他基礎知識といった5つのカテゴリーから出題されます。この技能試験は宿泊業技能試験センターが実施するものです。学習用テキストは一般社団法人宿泊業技能試験センターのwebページからダウンロードができます。

その他の要件として、特定技能のどの分野でも共通している以下の点も求められます。その理由は日本の法律上、18歳未満の労働者に特別な保護規定が定められているためです。

・日本入国時に18歳以上であること
・保証金または違約金の徴収などをされていないこと
・送り出し国で海外雇用についての規定がある場合、正当な手続きを経ていること

また、海外人材本人やその家族に保証金・違約金の徴収がある場合、日本での活動に支障が出る可能性はゼロではありません。特定技能という在留資格を保持するうえで、こういった徴収等がないことも求められます。さらに、出身国によっては海外で労働するために規定や手続きが必要となる場合があります。正当な手続きを経ているかを確認した方が良いでしょう。

宿泊分野の技能実習2号を修了するケース

宿泊業分野の技能実習2号を修了した技能実習生は、無試験で特定技能1号へ移行することが可能です。

宿泊業分野の特定技能2号の取得要件

特定技能1号としての通算在留期間(5年間)が満了した後は、特定技能1号としての就業が継続できません。それ以降も特定技能外国人が日本に在留するには特定技能2号に移行することが必要であり、その要件は以下です。

  • 『宿泊分野特定技能2号評価試験』合格
  • 宿泊業分野(宿泊施設)において2年以上の実務経験(複数の従業員を指導しながらフロント、企画・広報、接客、レストランサービスなどの業務を遂行した経験)

[宿泊業]で特定技能2号の在留資格を得るには、『宿泊分野特定技能2号評価試験』の合格だけでなく、具体的な実務経験が求められます。

〈 分野、区分の概要 〉
複数の従業員を指導しながら、旅館やホテルにおけるフロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービスの提供業務

〈 従事する主な業務 〉
複数の従業員を指導しながら、主に以下の業務に従事
・フロント業務(チェックイン/アウト、周辺の観光地情報の案内、ホテル発着ツアーの手配 等)
・企画・広報業務(キャンペーン・特別プランの立案、旅館やホテル内案内チラシの作成、HP、SNS等による情報発信 等)
・接客業務(旅館やホテル内での案内、宿泊客からの問い合わせ対応 等)
・レストランサービス業務(注文への応対やサービス(配膳・片付け)、料理の下ごしらえ・盛りつけ等の業務 等)

〈 想定される関連業務 〉
旅館やホテル内における販売、備品の点検・交換等

引用:特定技能2号の各分野の仕事内容(Job Description)/ 出入国在留管理庁

特定技能2号外国人には、宿泊施設で不測の事態やトラブルが起きた際、自ら対処できる高度な能力が求められます。

特定技能外国人としての就労期間

特定技能[宿泊]では1号と2号が設定されています。就労期間についてはそれぞれ異なります。

  • 特定技能1号:在留期間は通算で最長5年。1年、6ヶ月、または4ヶ月ごとの更新が必要。
  • 特定技能2号:在留期間は3年、1年、または6ヶ月のいずれかだが、更新回数に制限がない。

技能実習制度では最大5年間、日本で働くことができます。技能実習1号から3号の5年間と特定技能1号の5年間を合わせると最大10年間、特定技能2号を取得することでさらに長く働くことが可能です。ひとりの従業員に長く勤めてもらえれば、人材確保や採用、教育に関するコストや工数をカットできるため、受け入れ企業の利益にもつながるのではないでしょうか。

特定所属機関に求められる要件

特定所属機関とは特定技能外国人を雇用する受け入れ企業のことです。

特定技能所属機関になるために必要とされる条件について
特定技能制度によって、以前よりも多くの外国人人材が日本で働けるようになりました。この制度を活用して、特定技能外国人を受け入れたいとお考えの企業も多いことでしょう。特定技能外国人を受け入れる企業のことを「特定技能所属機関」と言いますが、具体的

特定技能1号外国人の雇用に関して、受け入れる企業側にも以下3点の要件が求められます。

・許可された業務に従事させること:
特定技能「宿泊」で許可された業務は先述したとおりです。

・国土交通省が定めた『宿泊分野特定技能協議会』に加入し必要な協力を行うこと:
2024年6月15日以降、初めて特定技能外国人を受け入れる場合でも、在留資格の申請前に協議会へ加盟することが必須となりました。在留資格の申請時に、協議会に加盟していることの証明書を提出する必要があります。観光庁のサイトにある入会届に必要事項を記入し、郵送してください。

・海外人材に対して支援を適切に行うこと:
特定技能制度を活用して海外人材を雇用するためには、定められた支援を適切に行わなければいけません。受け入れ企業でサポートしきれない場合は、登録支援機関に支援業務を委託します。なお、自社支援に関してはこちらの記事も参考にしてみてください。

人材不足解消のカギ!宿泊業の特定技能制度と支援内製化のメリット
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外国人の受入れが認められないケース(欠格事由)

以下のような事由に該当すると、外国人の受け入れが認められない場合があります。

  • 労働法、社会保険関係法令、租税関係法令、出入国関係法令を遵守していない
  • 特定技能外国人が担当することになる業務に従事していた従業員が、過去1年以内に会社都合で解雇されている
  • 過去1年以内に、受入れ機関の落ち度で外国人の行方不明を発生させている
  • 過去5年以内に、技能実習の認定を取り消されたことがある

特定技能[宿泊]活用の注意点

特定技能[宿泊]分野において、宿泊施設ならばどこでも採用できるわけではないので注意してください。簡易宿泊所や下宿営業、風俗営業法第2条第6項4号に該当する施設での雇用は認められていません。ラブホテルやモーテル等では、この在留資格の海外人材を雇用できないのです。詳しい要件については警察庁の資料をご覧ください。

まとめ

宿泊業においては、特定技能が始まる前までは、【技・人・国(通訳)】で海外人材を雇用することが多くありましたが、実際には通訳以外の業務に従事することも多く、実態に合っていないという意見もありました。

「特定技能制度下では業務内容と在留資格がしっかりと一致するクリーンな雇用が可能になった」という声が挙がっています。[宿泊業]における人材確保の手段として、特定技能の活用を前向きに検討することをおすすめします。なお、特定技能採用は特定技能特化型のプラットフォーム『Linkus』が、自社支援に関する内容は『特定技能アドバイザー』がお手伝いいたします。ぜひご相談ください。

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