外国人雇用をテクノロジーで支援するBEENOS HR Link株式会社(以下「BEENOS HR Link」)は、コロナ禍での海外人材の雇用状況について解説する【海外人材雇用】記者説明会を3月4日(木)に開催。緊急事態宣言下ということでオンライン説明会となりましたが、20社以上の報道関係者様にお集まりいただきました。
海外人材の受け入れをサポートする一般社団法人国際連携推進協会の理事 兼 事務局長の栗田貴善氏。ベトナムの送り出し機関TIN PHAT技術貿易株式会社副社長 兼 日本事業部 事業部長の小松富成氏。お二方に受け入れ企業側と海外人材を送り出す側の両方の視点で、「コロナ禍における海外人材の雇用状況」についてご解説いただいた後、BEENOS HR Link株式会社 代表取締役社長 岡﨑陽介より、海外人材雇用のインターネットサポーターとして、シームレスな越境管理を実現する「Linkus(リンクス)」プラットフォームの説明もさせていただきました。
BEENOSグループのノウハウを海外人材の雇用・採用に活かす
我々はLinkusというサービスを提供していますが、その背景についてご説明させていただきます。日本全体の労働人口が減っている、という現状は皆様もご存知の通りかと思います。「2025年問題」という言葉までありますが、特に介護・医療分野では34〜38万人の介護師が不足する、IT分野では約60万人規模でエンジニアが不足すると言われています。日本人だけでは人材不足をカバーしていくことが難しい中で、外国籍の方の力が重要であると感じています。
これから海外人材雇用が活発化していくことが予想されますが、その中でも技能実習・特定技能という在留資格は、在留資格の申請、採用、雇用中の管理が大変煩雑です。受け入れ先の企業や間に入る監理団体、登録支援機関、協同組合の方々が、その大変な作業をアナログで行っているのが現状です。
我々BEENOSグループは、海外のユーザーと日本の事業者をつなぐ“越境”という領域で各ビジネスを展開しております。このノウハウを海外人材の雇用・採用に活かせないか、ということでBEENOS HR Link株式会社は新しいサービスを開発しております。
採用・支援の関係者が個々に連携できる業界唯一のプラットフォーム
それでは、我々Linkusが提供しているサービスについてご説明します。
特定技能や技能実習の人材を雇用するには、煩雑になりがちな作業や事務処理に加えて、海外人材の支援業務として「実際にどのような環境で働いているのか」「申請時と条件が変わっていないか(悪くなっていないか)」というのを確認する巡回という業務も必要となります。さらに、働く方と雇用する企業だけでなく、海外の送り出し機関、登録支援機関や監理団体の担当者など、関係者が多いことも特徴です。複数人の方や組織が情報のやり取りを個別の連絡手段で行い、書類作成をバラバラで進めているアナログ管理の現状。これをデジタル化していくためにLinkusが存在します。
関係者全員にひとつのプラットフォームへご参加いただき、その中で作業を進めることで共通管理・情報共通をスムーズに行えるサービスを提供させていただいております。送り出し機関、登録支援機関や監理団体、受け入れ企業、そしてご本人に参加していただくことで、これまで見えていなかった進行状況や、情報のステータスなどがわかるようになります。以前は海外にいる求職者は「自分の情報がどこでどう使われているのか」は不明でしたが、このプラットフォームによって解決していきたいと考えています。
登録支援機関や受け入れ企業が抱える業務上の課題
特定技能・技能実習の雇用を進める中での課題を6つ並べております。
申請書類の作成が大変であることは先に申し上げた通りです。複数人の求職者の方が同時にそれぞれ進行していくため「誰がどのような状態にあるのか」を管理するのに混乱が起きています。求人情報と候補者の照らし合わせは国によって違うため、候補者が見つかりづらいという問題もあります。候補者がいても見合う求人がない、という状況も多発しています。関係者が多く国内外とやり取りをしなければならず、アクションを起こした後の情報共有も大変です。「候補者お一人の情報共有のために600〜700回のやり取りを行っている」というケースも少なくないと伺いました。提出書類を作るツールはあるものの、使い方が分かりづらいというお声も聞かれます。
Linkusの8つの主な機能のご紹介
Linkusは上記のような課題を解決するために、8つの機能をご用意しています。
【1】在留資格申請書類作成
関わる方々みなさまにプロフィールを作成いただき、それを元にして申請書類を自動生成いたします。候補者一人につき70〜80ページを要する書類を手書きやPC入力するのはかなり大変ですが、Linkusではクリックを進めるだけで作成できるようにいたしました。
【2】ステータス管理
「誰がどこまで進んでいるのか」「自分の情報がどこでどう使われているのか」アナログ管理では把握が難しいですがLinkusでは可能です。求職中の方は何名いて、面接まで進んだ方は誰なのか、面接後の申請書類を作っている人が何人いるのかなどを可視化しております。こちらも、登録支援機関の担当者だけでなく、関係者全員が見られます。
【3】アカウント連携
送り出し機関、登録支援機関、受け入れ企業、働く本人…みなさまに個別のアカウントを作成していただき、Linkusにご参加いただきます。それぞれのアカウントを連携させることで、情報共有、書類作成に必要な情報の集約を自動で行います。
【4】添付書類をデータで受け渡し
在留資格申請書類は一人につき70〜80ページほど必要ですが、それに加えて受け入れ企業の売上高や納税証明書、働く本人の在留カードなど添付書類も多く、すべて合わせると100ページを超えます。添付書類をその都度やりとりすると混乱が起きますが、データをアップロードしておけば、必要な時にダウンロードすることができるため、送り忘れることもありません。
【5】支援業務のTODOチェック
特定技能外国人や技能実習生に対して、日本に来る前にしておくべきこと、働く前に説明すべきことなど、決まった項目がございます。どこまで説明されているかが誰でも一目で分かるようにTODO管理チェックが備わっています。
【6】定期巡回対応機能
特定技能外国人の雇用にあたって、3ヶ月に1度「ちゃんとした環境で働いているのか」「雇用条件が守られているか」などを定期的に確認して、入国管理局に対してレポートを提出する義務がございます。現在はチェックしたことを紙に起こして、後で決まったフォーマットに移し替えて提出している担当者も多いようです。Linkusは通信環境があればスマホやタブレットでログインしていただき、現場でチェックして報告書の作成まで完成できます。
【7】チャット機能
書類作成や事務処理業務を軽減させるサービスは他にもございますが、Linkusはコミュニケーションにも重きを置いております。「誰がどこまで進んでいるのか」ということを処理をしながら、同じプラットフォームで連絡もとりあうことができます。求職者との一対一のやりとり、取引先との一対一のやりとり、求職者と雇用主を含めたグループでのやりとり、どちらも対応しております。
【8】ユーザー相互検索
我々が書類作成ツールではなくプラットフォームとしている理由はこちらでございます。すべての関係者が個別のアカウントを持って参加していただき、SNSで友人を検索するように、求職者の検索をしていただける機能を設けました。これらの機能をご活用いただき、雇用や採用をスムーズに行っていただければと思います。
費用は求職者一人につきワンコイン
求職者お一人のアカウントを連携して管理するのに500円/月とさせていただいております。詳しくはお問い合わせください。
ローンチからのサービス沿革について
Linkusは2020年3月の緊急事態宣言が発令された頃から開発を行っており、緊急事態宣言解除後の6月にプロトタイプにリリースいたしました。2020年の10月に本格リリースを迎え、現状1,200名以上の求職者の方にご登録いただいています。コロナ禍で混乱が続いている状況下でも、ユーザーが右肩上がりで増えていることから、特定技能や技能実習に対する注目度の高さ、雇用や採用のIT化に興味を持たれている方が多いことが伺えると感じています。
「日本へ働きにきてよかった」と思っていただけるように
これまでご説明したのは、雇用・採用に関わる業務改善に関するサービスです。ここに追加しまして、プラットフォームの確立をしていきたいと考えています。外国籍の方が日本で働くということは、仕事だけでなく“生活”が生まれています。生活をするのに必要な要素 ー 住居、銀行口座、通信環境などをサポートするのが受け入れ企業や登録支援機関ですが、すべての組織がスムーズに手配できているわけではありません。働く本人に対するサポートはもちろん、登録支援機関や監理団体が支援のためのサービスを見つけやすくするためにも、我々Linkusはプラットフォームの拡充をしていきたいと考えています。
日本に働きに来ている外国籍の方が「日本へ働きにきてよかった」「もっと日本にいたい」「母国の友人も日本に呼びたい」と思えるような環境作りをお手伝いしていきたいなと考えております。ゆくゆくは、この良いスパイラルによって日本国内の地方活性化まで視野に入れていければと思います。
BEENOS HR Link株式会社
代表取締役社長
岡﨑 陽介 氏
Linkusの事業責任者として、事業構築からサービス企画・営業などを統括。前職までは芸能事務所で プロモーション企画やメディア開発を行う。2015年BEENOSのグループ会社であるモノセンスに入社、コラボ商品企画やモノセンス内新規事業を担当。BeeCruiseに転籍し、Linkusを立ち上げ、2020年7 月にサービス提供を開始。求職者の登録数が1,000名を超えるまでにグロースさせた。2020年12月 にBEENOS HR Link株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。