
2026年の制度見直しでは、新たな分野の追加に加え、既存分野でも業務区分の追加や再編が行われました。
工業製品製造業や鉄道、航空分野では業務区分や対象業務が追加され、自動車整備や飲食料品製造業では業務区分が見直されています。本記事では、企業が押さえておきたい変更点と影響を解説します。
なお、特定技能制度の運用や対応方針についての不安やご不明点は、支援業務管理システム[Linkus]や、自社支援体制の構築をサポートする[特定技能アドバイザー]にご相談ください。
2026年の制度見直しで何が変わった?業務区分追加・再編の概要
2026年1月23日に分野別運用方針を閣議決定
2026年1月23日、特定技能制度と育成就労制度の新たな分野別運用方針が閣議決定されました。
今回の見直しでは、リネンサプライ・物流倉庫・資源循環の新分野が追加されたほか、既存の特定技能分野についても、産業界の実態や人手不足の状況などを踏まえ、業務区分の追加・再編が行われています。
なお、新たに定められた分野や業務区分については、閣議決定と同時にすべての受け入れが始まるわけではありません。省令・告示の整備や技能評価試験の実施など、必要な準備が整ったものから順次受け入れが可能となります。
「新分野追加」と「既存分野の業務区分追加・再編」の違い
新分野の追加とは、これまで特定技能の対象ではなかった産業分野そのものを、新たに特定産業分野として追加するものです。
一方、業務区分の追加・再編は、すでに特定技能の対象となっている分野について、外国人材が従事できる業務の範囲や区分を見直すものです。
今回の制度見直しでは、この両方が行われている点が大きな特徴です。
参考:特定技能制度に係る制度の運用に関する基本方針・分野別運用方針・運用要領 – 出入国在留管理庁
工業製品製造業で7つの業務区分を追加
新たに追加された7つの業務区分
工業製品製造業分野では、2026年1月の閣議決定により、以下の7つの業務区分が追加されました。
- ・電線・ケーブル製造
- ・プレハブ住宅製品製造
- ・家具製造
- ・定形・不定形耐火物製造
- ・生コンクリート製造
- ・ゴム製品製造
- ・かばん製造
これにより、1号特定技能外国人が従事できる業務区分は17区分に拡大しています。
参考:工業製品製造業分野で外国人の受入れ可能な産業分類・業務区分 – 経済産業省
追加された業務区分でも受け入れに向けた制度運用が開始
追加された7つの業務区分では、経済産業省の告示施行や技能評価試験の実施など、受け入れに向けた制度運用が進んでいます。現在は、工業製品製造業分野の1号特定技能17業務区分について、国内・海外で技能評価試験が実施されています。
このうち、追加された業務区分に対応する技能実習2号を良好に修了した外国人については、経済産業省の告示が施行された2026年6月1日以降、在留諸申請が可能となっています。
そのため、工業製品製造業については「今後追加される予定」という段階ではなく、すでに制度運用が具体的に進み始めている点に注意しましょう。
鉄道・航空分野で追加された業務
鉄道分野:「駅・車両清掃」を新たな業務区分として追加
鉄道分野では、2026年1月23日の閣議決定により、「駅・車両清掃」が新たな業務区分として追加されました。
駅や鉄道車両の清掃は、鉄道サービスの安全性や快適性を支える重要な業務です。新たな業務区分の追加により、対象となる事業者にとって外国人材採用の選択肢が広がることが期待されます。
参考:鉄道分野における外国人材の受入れ(在留資格「特定技能」「育成就労」) – 国土交通省
航空分野:空港グランドハンドリングの対象業務を拡大
航空分野では、空港グランドハンドリングの対象業務が拡大され、旅客ハンドリング業務、機内食等の運搬・搭降載業務、航空燃料取扱業務が対象業務に加わりました。実際の受け入れ可否については、最新の運用要領や対象業務の定義を確認することが重要です。
新たに対象となった業務で外国人採用を検討している企業の皆さんへ
特定技能制度の業務区分追加により、これまで制度を活用できなかった企業でも、外国人材採用の選択肢が広がっています。一方で、対象となる事業所や業務内容、外国人材に求められる技能水準などは分野・業務区分ごとに異なります。
[Linkus]では、特定技能制度に関する情報提供から採用・受け入れに関する支援まで、企業の状況に合わせたサポートを行っています。「自社の業務が対象になったのか知りたい」「特定技能外国人の採用を検討したい」という企業担当者の皆さんは、お気軽にご相談ください。

自動車整備・飲食料品製造業では業務区分を再編
自動車整備分野は2つの業務区分へ
自動車整備分野では、「自動車整備業務区分」と「車体整備業務区分」に分ける見直しが行われました。新たな業務区分は2027年4月1日から適用される予定です。
企業は、自社で行っている整備業務がどちらの業務区分に該当するのか、施行に向けて公表される最新の運用要領などを確認する必要があります。
参考:特定技能制度の自動車整備分野に特有の事情に鑑みて定める基準の改正について – 出入国在留管理庁
飲食料品製造業は「飲食料品製造業」と「水産加工業」に再編
飲食料品製造業分野についても、従来の業務区分を「飲食料品製造業」と「水産加工業」に分ける再編が行われています。
水産加工業を独立した業務区分として位置付けることで、それぞれの業務に必要な技能をより適切に評価し、水産加工業で受け入れる外国人材の専門性向上などが期待されています。
具体的な受け入れ要件や試験制度については、最新の分野別運用方針や所管省庁から公表される情報を確認しましょう。
業務区分追加・再編で企業への影響は?
これまで対象外だった企業も受け入れられる可能性がある
今回の業務区分追加によって、電線・ケーブル、家具、生コンクリート、ゴム製品、かばんなどを製造する企業や、駅・車両清掃などを担う事業者にも、特定技能制度を活用した外国人材採用の可能性が広がります。
これまで「自社の業務は特定技能の対象外」と判断していた企業も、最新の業務区分を改めて確認してみるとよいでしょう。
同じ分野でも業務区分によって要件が異なる
特定技能制度では、単に企業の業種が対象分野に該当すれば受け入れられるとは限りません。
企業の事業内容や事業所、外国人材が実際に従事する業務、技能評価試験など、各分野・業務区分で定められた要件を満たす必要があります。
育成就労制度との関係も確認する
2027年4月1日には、新たな育成就労制度が施行される予定です。
育成就労制度では、特定技能1号への移行を見据えた分野・業務区分が設定されています。外国人材を育成就労で受け入れ、一定の技能を身につけた後に特定技能1号へ移行するという中長期的な人材育成・採用も選択肢となります。
ただし、航空など特定技能のみが設定され、育成就労の対象とならない分野もあるため注意が必要です。
企業が確認しておきたいポイント
自社の業務が最新の業務区分に該当するか確認する
まず確認したいのが、自社の事業内容と外国人材に任せる予定の業務が、最新の分野別運用方針や業務区分に該当しているかどうかです。
特に工業製品製造業では対象となる産業分類や製造品目なども確認する必要があるため、業務区分名だけで判断しないようにしましょう。
実際に受け入れ可能となる時期を確認する
2026年1月に閣議決定された業務区分でも、受け入れ開始時期は一律ではありません。
省令・告示の施行、技能評価試験の開始など、必要な制度整備が完了してから受け入れ可能となるものがあります。採用計画を立てる際は、それぞれの業務区分の最新状況を確認しましょう。
受け入れ要件や支援体制を確認する
特定技能外国人を受け入れる企業には、適切な雇用契約や報酬、1号特定技能外国人支援計画の策定・実施など、制度上のさまざまな要件があります。業務区分が対象となったことだけで採用できるわけではないため、自社の受け入れ体制についてもあわせて確認しておきましょう。
制度改正や最新情報を見逃したくない方へ
特定技能制度は、新分野の追加や既存分野の業務区分見直しに加え、2027年4月からの育成就労制度の開始など、大きな変化が続いています。
[特定技能アドバイザー]では、制度改正や外国人採用に関する最新情報を発信しています。特定技能制度の活用を検討している企業担当者の方は、ぜひご活用ください。

まとめ
2026年1月23日の閣議決定により、特定技能制度では新分野の追加だけでなく、既存分野でも業務区分の追加・再編が行われました。
工業製品製造業では7つの業務区分が追加され、鉄道分野では「駅・車両清掃」が新設されています。また、航空分野でも対象業務が拡大し、自動車整備や飲食料品製造業では業務区分の再編が進められています。
こうした見直しによって、これまで特定技能制度を活用できなかった企業でも、外国人材採用の選択肢が広がる可能性があります。
ただし、新たに追加された業務区分は一斉に受け入れが開始されるわけではありません。省令・告示の施行や技能評価試験の実施状況などを確認するとともに、自社の事業内容や外国人材に任せる業務が対象となるかを正確に確認することが重要です。
なお、特定技能制度の運用や対応方針についての不安やご不明点は、支援業務管理システム[Linkus]や、自社支援体制の構築をサポートする[特定技能アドバイザー]にご相談ください。