2022年に特定技能の製造3分野が統合!14分野から12分野に変更となったその理由や背景について

特定技能

2019年4月に施行された特定技能の対象となる職種は14分野でしたが、2022年の4月に12分野になりました。素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業が統一され、【素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業】という3つの分野に統合されたのです。

この記事では、3分野が統合されるに至った経緯について解説します。なお、【素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業】の採用や在留資格申請のご不明点は、Linkusがお答えします。ぜひご相談ください。

製造3分野の統合の決定時期について

2022年4月26日の閣議決定によって、特定技能制度の受け入れ対象分野が14分野から12分野に再編されました。分野が減ったのではなく、既存の3分野が統合される形となっています。具体的には、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業の3分野が統合され、【素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業】となりました。

特定技能【素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業】で海外人材を採用するために必要なこと・注意点とは
特定技能制度は人材不足が顕著な産業分野において即戦力となる外国人材を受け入れるための制度で、機械関連業種では3分野(素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業)で受入れが行われてきました。2022年4月、【素形材・産業機械・電気電子

産業機械製造業の在留資格認定証明書の一時交付停止

産業機械製造業での特定技能1号外国人受け入れ数は、2022年2月時点で5,400人と公表されており、受け入れ見込み数5,250人を超えています。新型コロナウイルス感染症拡大の影響下で我々の生活が大きく変化したことから、半導体製造装置、及び産業用ロボットの需要が高まったことが原因と言われています。産業機械製造業は人手が不足し、受け入れ人数の上限を超過しました。

そのため、2022年4月1日、法務大臣に対して在留資格認定証明症の一時交付停止が求められ、実際に交付が停止されました。(出入国管理および難民認定法第7条の2第3項による)これはあくまで一時的な措置であり、特定技能1号への在留資格の変更や在留期間の更新について、必要な要件を満たしていれば、これまで通り許可されます。(詳しい内容は最寄りの地方出入国在留管理官署にお問い合わせください)

統合に至った理由・背景

この度統合され1つとなった製造3分野(素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業)。これら3つ、もしくはうち2つなど、複数の分野を受け入れている事業所(特定技能所属機関)も少なくありません。分野が違えばそれぞれの受け入れ手続きがあり、作業はより煩雑になり、「担当者や担当部署の負担が大きくなってしまっている」「製造に関わる分野をまとめることはできないのか」「分野を統一して作業を簡素化できないか」といった声がこれまで多く上がっていたようです。こういった状況を踏まえ、製造業3分野が統合されることが2022年4月末に閣議決定されました。

統合に関する詳しい内容と、協議・連絡会への入会について

産業機械製造業の受け入れ人数が超過したことで、在留資格認定証明書の一時交付停止がなされましたが、3分野が統合されたことで交付停止措置は失効となりました。素形材産業や電気・電子情報関連産業は受け入れ人数上限まで余裕があるため、3分野を統合することで産業機械製造業の受け入れも実際、可能となるでしょう。現時点で製造3分野に該当する事業所は、【素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業】を行う特定技能所属機関として、特定技能1号外国人を受け入れることができます。

また現時点で【製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会】へ入会を済ませてある事業者や、現在入会手続き中の事業者は、この統合に伴う再度の入会手続きは必要ありません。

受け入れ人数は見直されるのか

以前の電気・電子情報関連産業は受け入れ人数が超過してしまったため、素形材産業や産業機械製造業の受け入れ人数に余裕があったとしても、すぐに3分野の上限を迎えてしまうのではないか、と懸念されている方も多いかもしれません。

「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針について(平成30年12月25日閣議決定)」に基づけば、特定技能1号外国人数の上限として運用されます。しかし、近日発表された出入国在留管理庁の資料によると、「コロナ禍は「産業機械製造業分野」に限らず、全ての特定産業分野に影響を与えているものと考えられることから、基本方針4(4)に基づき、分野所管省庁に対し、各分野の受入れ見込数の精査をお願いする予定です。」と記載があります。コロナ禍前には予想できなかった未曾有の事態が起こり、あらゆる業界が影響を受けています。今後は情勢に伴い、受け入れ人数の見直しが検討されていくと予想されます。

まとめ

特定技能は日本国内で今後深刻化していくであろう人材不足を解消するために作られた制度です。2019年4月の施行当時から2022年3月までは特定技能で認められた業種は14分野ありましたが、2022年4月の閣議決定によって素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業の3分野が統合され、計12分野となりました。コロナ禍やその他の情勢の変化によって、このような再編、分野の拡大なども検討されていくことでしょう。現時点で特定技能の対象でない業種も、今後の流れに注視していくことをおすすめします。なお、【素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業】に限らず特定技能外国人の採用や雇用に関してご不明点やご相談等ございましたら、Linkusにお問い合わせください。

参考:
製造3分野の統合と今後の対応について
特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針について

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