登録支援機関の登録に掛かる費用について

登録支援機関

ON行政書士事務所

長江 修

大手新聞社ニュースサイト制作や企業広報を経て行政書士資格を取得し、2017年に東京・上野にてON行政書士事務所を開業。「皆様の暮らしやビジネスの良きパートナー」であることをモットーに、【在留資格の書類作成・申請取次】をはじめ、【建設業許可】【古物商許可】などの各種行政手続き書類作成・申請代理を中心に展開。最近では【持続化給付金】【家賃支援給付金】などコロナ支援制度の対応も多い。また、経歴を活かし【ホームページ制作】など行政書士以外の業務も取り扱う。

1号特定技能外国人の支援業務を受託する事業者が登録支援機関としての登録を受けるためには、各種申請書類の提出と申請手数料の納付が求められます。

登録申請に掛かる費用には、申請手数料のように規定により定まっているものと、書類準備(調査・作成業務)のコストのように場合により大きく変動するものとがあります。外部の行政書士事務所に登録申請手続きを委託する場合には、費用の大半を委託料金が占めることになります。

どのような費用が必要となるかを理解するために、まずは登録申請のあらましを解説します。後半では具体的にコストの内容を検討し、外部に委託する場合の料金の目安を紹介します。

登録支援機関の登録申請の概要

登録支援機関として登録を受けるためには、法令で規定された「登録拒否事由」に該当しないことが要件となっており、申請時に提出する書類によってこれを誓約したり立証したりすることが求められます。

申請書類の提出先(※)は、本店または主たる事務所の所在地を管轄する出入国在留管理局・支局(空港支局を除く)です(全国11箇所)。出張所では受け付けていません。書留郵便や書留の他、レターパックプラス(対面受け取り)などによる郵送申請も可能です。

登録審査には2か月ほど掛かります。支援業務開始時期に間に合うように申請することが必要です。

以下、登録拒否事由と提出書類について一覧形式で紹介します。

(※:http://www.moj.go.jp/content/001315380.pdf 112-113ページ
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00183.html,http://www.immi-moj.go.jp/soshiki/index.html

◆登録拒否事由

(事由1)刑罰の履歴

申請者(個人、法人)、法人役員、支援責任者、支援担当者が過去に禁固以上の刑か、出入国・労働・暴力行為・社会保険・労働保険に関する法令で罰金刑を受けたことがあり、執行終了後5年を経過していない場合。

(事由2)精神機能や法的身分の不適格性

申請者(個人、法人)、法人役員、支援責任者、支援担当者が以下に該当する場合
・精神機能障害により十分な支援業務を行えない
・破産者である
・法定代理人(親権者や後見人)から営業の許可を得ていない未成年者であり、その法定代理人が事由1か、上記精神機能障害事由または破産事由に該当

(事由3)登録取消し履歴

申請者(個人、法人)、法人役員、支援責任者、支援担当者が過去に登録支援機関としての登録取消しを受けており(登録取消し時に当該機関の役員を務めており)、取消し日から5年を経過していない場合

(事由4)不正行為

申請者(個人、法人)、法人役員、支援責任者、支援担当者が、申請日前5年以内に、出入国や労働に関する法令に照らして不正または著しく不当な行為を行った場合

(事由5)暴力団との関係

申請者(個人、法人)、法人役員、支援責任者、支援担当者の中に、暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過していない者が存在するか、申請者がそうした者に支配されている場合

(事由6)行方不明者の発生

申請者(個人、法人)が自らの責めに帰すべき理由によって過去1年の間に外国人(特定技能外国人や技能実習生)の行方不明者を発生させている場合

(事由7)支援責任者・支援担当者の未選任

申請者(個人、法人)が、支援責任者および支援担当者(後者については支援業務を行う事業所ごとに1名以上)の選任を行っていない場合

(事由8)在留外国人に関する業務実績の欠如

以下のいずれにも該当しない場合
・申請者(個人、法人)または支援責任者、支援担当者が、在留外国人の受入れ、管理、相談に関する業務において一定以上の実績を有する(入管法施行規則第19条の21第3号イ・ロ・ハに該当)
・申請者(個人、法人)がそうした実績を有する事業者と同等の支援業務実施体制を有する(同号ニに該当)

(事由9)情報提供・相談対応体制の欠如

以下の体制を有していない場合
・特定技能外国人が十分に理解できる言語で情報提供および相談対応を行う体制
・特定技能外国人を監督する立場の者に対し、支援責任者任または支援担当者が定期的に面談を行う体制

(事由10)支援業務に関する帳簿を作成・保存する体制の欠如

支援実施体制や支援実施状況などに関する帳簿を作成し一定期間保存する体制を有していない場合

(事由11)支援責任者と受け入れ機関との関係性

支援責任者になろうとする者が、委託元の特定技能外国人受け入れ機関の役員と密接な関係を有するか、過去5年間に当該機関の役員または職員であった場合

(事由12)支援費用の外国人への転嫁

特定技能外国人の支援に要する費用を、直接または間接に当該外国人に負担させる体制をとっている場合

(事由13)委託契約の費用の不明示

支援業務に要する費用の額と内訳を明示せずに特定技能外国人受け入れ機関と委託契約を結ぶ体制をとっている場合

◆申請書類一覧

①手数料納付書

収入印紙を貼付(令和2年4月現在で、新規登録時28,400円、登録更新時11,100円)

②登録支援機関登録申請書

申請者の名称・氏名などの基本情報、支援業務実施体制、支援内容、実施方法について記載

③登記事項証明書

法人の場合に提出

④住民票の写し

個人事業主の場合に提出

⑤定款または寄附行為の写し

法人の場合に提出

⑥役員の住民票の写し

法人の場合に提出
※支援業務に直接関与しない役員については、誓約書(下記⑦)の提出でも可
※法定代理人(親権者や後見人)から営業の許可を得ていない未成年者の役員については、法定代理人の住民票も合わせて提出

⑦役員に関する誓約書

支援業務に直接関与しない役員について、登録拒否事由(1~5)に該当しない旨などを誓約(当該役員の住民票を提出する場合は不要)

⑧登録支援機関概要書

事業者・事業所の概要や、登録拒否事由の6(行方不明者の発生)、8(実績・支援業務実施体制の欠如)、9(情報提供・相談体制の欠如)に関する事項を記載

⑨登録支援機関誓約書

登録拒否事由のいずれにも該当しないことを誓約

⑩支援責任者の就任承諾書・誓約書

支援責任者が登録拒否事由(1~5と11)に該当しない旨などを誓約

⑪支援責任者の履歴書

一般的な履歴に加え、入管法施行規則第19条の21第3号ハに該当する実績を有する場合はそれについて具体的に記載

⑫支援担当者の就任承諾書・誓約書

支援担当者が登録拒否事由(1~5)に該当しない旨などを誓約

⑬支援担当者の履歴書

支援責任者の場合と同様

⑭支援委託手数料に係る説明書(予定費用)

支援委託費用(特定技能外国人1名当たりの月額)を名目別に記載

⑮外国人支援体制についての説明書⑯それに係る立証資料

登録拒否事由8に絡み、所定の実績要件によらずに支援業務実施体制の存在を主張する場合に提出

登録に掛かるコストの内容と費用の目安

登録に掛かる費用のうち、規定により定まっている費用や公的サービスの利用料は予め想定できる費用で、大きな変動要因は存在しません。

【規定により定まっている費用】申請手数料:新規申請時28,400円、登録更新時11,100円
【公的書類の交付手数料】登記事項証明書の交付手数料:書面請求600円、オンライン請求・送付500円、オンライン請求・窓口交付480円 ※一通の枚数が50枚を超過する場合には、超過枚数50枚ごとに100円加算住民票の写し(1人分):200円~350円程度
【郵送料】簡易書留用切手(審査結果通知用の定形封筒に貼付して申請時に提出):404円郵送申請の場合の郵送代(書留郵便料金など):書類の量により多少変動

一方、書類準備に要する費用は予め想定しにくいコストを含んでいます。書類の作成や事前調査を事業者自らが行う場合、会社の規模や事業体制、申請内容、申請業務の進め方などにより費用は大きく異なってくるでしょう。

以下、外部に委託せずに書類作成や調査を行う場合のコストと行政書士への委託コストについてくわしく見ていきましょう。

外部に委託しない場合のコストの内容

提出書類は3つのタイプに分けることができます。

A 交付・複写・記入だけで用意が完了するもの
①手数料納付書
③登記事項証明書
④住民票の写し
⑤定款又は寄附行為の写し
⑥役員の住民票の写し

B 調査・確認に基づいて作成することが求められるもの
②登録支援機関登録申請書(登録支援機関登録の更新申請書)
 ⑦登録支援機関の役員に関する誓約書
⑨登録支援機関誓約書 
⑩支援責任者の就任承諾書及び誓約書 ⑫支援担当者の就任承諾書及び誓約書 ⑭支援委託手数料に係る説明書(予定費用) 

C 調査・確認に基づいて作成した上で、記載事項について立証することが求められるもの
⑧登録支援機関概要書
⑪支援責任者の履歴書 ⑬支援担当者の履歴書
⑮入管法施行規則第19条の21第3号ニに該当することの説明書
⑯上記説明書(⑮)に係る立証資料

Aの用意にかかる時間的・人的コストは比較的小さい上に、予め想定できます。一方、BとCでは登録拒否事由に関する事項に対応するのにかなり手間取ることも考えられます。

BとCの作成にあたっては、支援業務に関する組織的な体制の細目や、事業者、役員、支援責任者、支援担当者各々の適格性について、規定に照らしながら一つひとつ調査・確認することが求められます。

さらに、Cでは登録拒否事由8(実績・支援実施体制の欠如)に絡み、入管法施行規則第19条の21第3号の規定を満たしていることを出入国在留管理庁に対して明示または立証することが必要です。この規定には以下の4つのタイプがあります。

(1)申請者(個人、法人)が、過去2年間に、特定の在留資格(収入を伴う活動を行うことができるもの)で在留する中長期在留者の受け入れや管理を適正に行った実績を有すること

(2)申請者(個人、法人)が、過去2年間に、報酬を得る目的で業として在留外国人一般に関する各種相談業務に従事した実績を有すること

(3)支援責任者および支援担当者になろうとする者が、過去5年の間に2年以上、特定の在留資格(同上)で在留する中長期在留者の生活相談業務に従事した実績を有すること

(4)申請者(個人、法人)が出入国在留管理庁長官により上記の実績を有する事業者と同程度の支援業務実施体制を有するものとして認められること

(1)の場合、登録支援機関概要書(⑧)に対象外国人の人数を記し、該当期間に法令違反・行政指導がなかったことを確認すれば済みます。

(2)(3)の場合、同書に実績の内容を具体的に記載します。(3)では支援責任者・支援担当者の履歴書(⑪と⑬)にも同事項について記載する必要があり、場合によっては裏付けとなる資料の提出が求められます。

(4)の場合、支援業務実施体制の証拠となる事情を登録支援機関概要書に簡単に記載し、それに関する説明書(⑮)と立証資料(⑯)を提出しなければなりません。認否の基準が公表されておらず、登録支援機関への登録申請において当局の裁量が関わってくる部分と言えます。

(3)は関係する役員・職員一人ひとりについての調査・立証が求められる分、コストが高くなると思われます。(4)ではどのような事情を根拠とするかによって立証のハードルとコストは大きく変化するでしょう。

行政書士に委託する場合の費用の目安

行政書士事務所のなかにはホームページで登録支援機関の登録申請代行サービスを紹介し、料金を公表しているところがあります。それを見ると、現在のところ委託料を150,000円~200,000円程度に設定しているところが多いようです。

案件の難易度に応じた変動料金制を採用している行政書士事務所もあります。例えば、上記Cに関する規定(1)~(4)のうち、立証コストが高いと考えられる規定に基づいて申請する場合ほど料金が高くなります。

更新申請については、今のところ料金をインターネット上で公表している事務所はほとんどないようですが、申請内容に大幅な変更がない限りは新規申請よりかなり低い委託料で済むと思われます。

まとめ

登録支援機関への登録申請に掛かる費用は、出入国在留管理局に納付する申請手数料などの所定の費用と、提出書類の準備コストからなります。

提出書類の多くは登録拒否事由の複雑な規定に基づいて幅広い調査を行った上で作成する必要があります。そのため、調査や書類作成を正確に遂行できる人材の有無や、申請業務に割くことができるリソースについて、慎重な検討が必要です。

行政書士への委託を考える場合には、委託可能な業務の範囲やサポート内容、料金設定などについて複数の事務所に問い合わせ、比較検討することをおすすめします。

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