「常識は人それぞれ。歩み寄ることが大切」登録支援機関でもある人材派遣 株式会社アクトエージェンツ

インタビュー

これから先、労働力不足がどんどんと深刻化していくであろう日本の雇用の現状。そんな未来に備えて、人材不足解消のために海外人材が注目されています。同時に、海外人材雇用に関して不安や疑問を感じている企業やご担当者さんは少なくないでしょう。

そこで、福岡県福岡市にて人材派遣事業を行っている株式会社アクトエージェンツの事業促進部部長 佐藤さんにインタビューをさせていただきました。株式会社アクトエージェンツは日本国籍・外国籍両方の方の人材派遣を行っている企業で登録支援機関でもあり、現在Linkusをご利用いただいています。海外人材との向き合い方、コミュニケーションに関して気をつけていることなどに加え、Linkusを利用するに至った決め手について貴重なお話を伺いました。

「日本に働きに来ている方の人生を台無しにするわけにはいかない」という使命感

ーー 御社の事業内容についてお聞かせください。

株式会社アクトエージェンツは福岡県福岡市にて、人材派遣、人材紹介、留学生派遣、特定技能の採用からフォローまでをサポートする人材派遣の会社です。特定技能ビザで働く外国人の受け入れをサポートする登録支援機関でもあります。

平成23年設立当初は日本人の方を各企業に派遣しておりました。しかし、将来的に少子高齢化が進む日本国内だけで人材を確保することは難しく、一方で海外人材の活躍の場が出てくるだろうと予想し、2年ほど前から現在の事業の形態を取るようになりました。現在は新型コロナウイルスの影響も大きくありますが、特定技能外国人の方を10名ほど支援しています。

ーー 人材派遣の会社として外国籍の方を派遣する事業とは別に、登録支援機関として登録をした経緯は何でしょうか。

2019年に特定技能制度が施行されましたが、当時その制度に取り掛かっている企業は多くありませんでした。海外人材の雇用に関する制度にいち早く着手することで、色々と見えてくるものがあるのではないかと考えて2年ほど前に登録支援機関として申請をしました。

ーー 海外人材を派遣・支援することについて、不安はありませんでしたか?

海外人材の派遣をスタートさせるにあたって、私だけでは難しいなと感じていました。とはいえ頼れる海外人材が周りにいなかったため、Facebookでいろんな方にメッセージを送ってみたんです。何百人にも送って返信が来たのは40〜50件だったでしょうか。その甲斐あって、福岡に住むベトナム国籍の方とのいい出会いがあったんです。海外ビジネスの経験がある方だったので、一度会ってみませんかとお誘いしました。

言葉では言い表しにくいのですが、実際に会ってみると感覚が合うなと感じました。人柄が良かったですし、私たちのビジネスが大切にしている思いに賛同してくれたため、一緒に仕事をしてもらうこととなったんです。

ーー 御社が大切にしている思いについて、教えていただけますか?

実際のところ「外国人は安いお給料でも働いてくれる」と考えている方もいらっしゃいます。ですが、私たちはそういった考えで人材を派遣をしているわけではありません。外国籍の方はそれぞれ色々な思いで日本にやってきています。その方たちにとってできるだけ好条件で、働きやすい職場で仕事をしてもらいたい、それが私たちの大切にしている思いです。そこに共感してくれることは非常に大きなポイントですね。

ーー そのベトナム人男性の方との出会いは運命だったのですね。仕事仲間として、最初からうまくいきましたか?

最初の数ヶ月は意見のすれ違いが多かったです(笑)。その度に徹底的に話し合いながら仕事を進めていきました。正直なところ途中で心が折れそうなときもありましたが、「この事業を中途半端に辞めるわけにはいかない」「日本に働きに来ている方の人生を台無しにするわけにはいかない」という使命感と「やるだけやって、結果が出なかったらそのときに考えよう」という気持ちのメリハリをつけることで頑張れました。

そのおかげで彼とは今の関係性が築け、結果が残せたのだと思います。海外人材派遣の事業を開始した当初は派遣人数は5名でしたが、1年もたたないうちに登録人数が1,500人を超えました。最初は右も左も分かりませんでしたが、海外ビジネス経験のあるベトナム人の彼のおかげで、ここまでくることができたと思っています。

自分の常識と相手の常識は違う。お互いが歩み寄ることが大切。

ーー 海外人材と向き合う中で感じていらっしゃる課題や問題点はありますか?

これといった問題は今のところないのですが、強いていうならば、海外人材の方がひとつの職場で長く働いてくれるかどうかが課題ですね。日本人よりも海外の方はいい意味でシビアですから、より良い条件を見つければそちらを選択する傾向が強いです。例えば「少しでもお給料が高い方で働きたい」というように。ひとつの職場に定着してもらうのに大切なことは、納得してもらえるようにコミュニケーションを取ることだけですね。短期間のみ働いただけでは、その仕事や職場の良し悪しが完全に分かるわけではないですから、ちょっと続けてみたら?という具合に。その後、転職するかどうかはご本人次第です。

あとは2020年から騒がれている新型コロナウイルスについて、海外人材が日本に来られない影響はかなり大きいです。私どもは登録支援機関として特定技能外国人の方の支援をするだけでなく、海外人材の派遣や留学生のアルバイト派遣も行っています。現在は留学生がなかなか日本に来られませんし、卒業をした方は母国に帰ってしまうので、派遣できる人数が減るばかりでした。派遣する人材が足りないと派遣先に満足のいくサービスを届けられなくなるので、早く新型コロナウイルス感染症拡大の影響が収まってくれることを願っています。

ーー 海外人材とコミュニケーションをとるうえで意識している点や心掛けている点はありますか?

最初は接し方を工夫するという意味で「分かりやすい部分だけ伝えよう」というように気を使って変えていたんです。けれど、今は日本人も外国人も同じように接しています。社内にいる4名の外国籍の社員と接する中で、自然にコミュニケーションをとればいいなと感じたんです。気を使われる側って何となく分かりますよね(笑)。海外の人だから…という気持ちがあると壁ができてしまうように感じたので、分け隔てなく話すようになりました。

海外ビジネスは私一人では到底できるものではなく、彼らがいてくれるから成り立つものですからチームワークを大切にしています。社員とは面談するなどして、話す機会は積極的に設けていますよ。国籍に関係なく自分の常識と相手の常識は違うものですから、お互いが歩み寄ることが大切なのではないでしょうか。

ちなみに社内にはベトナム国籍の方だけでなくネパール国籍の方もいらっしゃいます。チームメンバーの国籍が多様化すると文化や歴史も多様化しますすので、そのあたりの配慮もしていくべきだなと考えています。

担当者の人柄が良かった。それがLinkusを利用し始めた理由。

ーー Linkusを知ったきっかけを教えていただけますか?

登録支援機関として認証された後、申請書類の作り方もその他のことも、何をどうすればいいのか分かりませんでした。「登録支援機関が使えるサービスは、きっとあるだろう」そう思って調べたところ、Linkusを発見して問い合わせをしました。資料を見てみると私たちが望んでいること、特に申請書類作成ができるサービスが備わっていたので利用させていただきました。行政書士に相談するよりもシステム化をしたかったんです。

ーー Linkusを利用し始めた決め手は申請書類作成ができる点でしょうか?

それもありますが、一番の決め手はLinkusの担当者の方の人柄でした。これも言葉では言い表しにくいのですがフィーリングが合うと感じたんです。Linkusが私たちが求めていたサービスだったことは間違いないのですが、他の会社やツールでも補おうと思えば補えるんですよね。ですが、それを超えて担当者の方が親身になってくださったことが利用し始めた理由です。分からないことについて電話をすればいつも快く受け答えしてくださるので、サービスを利用しやすいですし、安心感があります。

システム的な面で書類作成以外に助かっているのは、求職者さんからも送り出し機関からも【リクエスト】がいただけることです。人材を発掘することは難しい仕事のひとつですので、求職者側からコンタクトをしてもらえるのは大変ありがたいですよ。今後は定期報告書の作成ツールも活用していきたいです。

海外人材の雇用で重要なのは“ひとつひとつ学んでいくこと”。

ーー これから海外人材雇用をしようと考えている企業の方、Linkusの利用を検討している方などにメッセージをお願いいたします。

これから先、日本国内における海外人材の需要は爆発的に増えていくと予想しています。少子高齢化による人材不足は何もしなければ解消されることはありません。海外の方の協力を得られなければ、企業は回らなくなっていくなるでしょう。それを見据えて、早いうちに問題に対処しておくことが大切だと思います。とはいえ、海外人材の雇用に関してゼロから始めることは難しい面が多くあります。いきなり完璧にこなすことは、難しいと思います。Linkusのようなサービスを上手に活用しながら、ひとつひとつ学んで取り組んでいくことが重要なのではないでしょうか。

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